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スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集2024-25年版【プロがレビュー】

2024-25年版 スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集
2024-25年版 スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集


【スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集】って、「合格に必要な知識」に絞って解説しているって本当ですか?

ページ総数が少なくて、勉強時間が取りにくい人に向いているって本当ですか?
あと、法改正に対応していますか?

要するに、、このテキストを使ってFP2級に合格できますか?

具体的に教えて、詳しい人!


こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

  • 元教材制作者の筆者が「スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集」の教材評価を行っています。
  • 独自の10個の評価項目用いて徹底評価し、点数づけしています。
    (「出題頻度の網羅性」「暗記箇所の整理」「論点の理解しやすさ」など)
  • 本記事を読むことで、変な教材に手を出して無駄な時間とお金を使うこともなくなります。


記事の信頼性

この記事を書いた人

CFP ®資格認定者 / 1級FP技能士 / 宅地建物取引士 / 第二種 情報処理技術者 / 日商簿記 等

教材制作会社に6年間 勤務
eラーニング・企業内研修用の「教材制作」「教材評価」の業務に携わる.

業務経験からFP・宅建の学習用教材を評価し,マニアックに解説しています.


 この記事を読むことで、勉強開始までの「教材選択の時間ロス」をはぶき、効率よく学習を進めていだきたくことができます。


5分で読めますので、この教材の評価が知りたい方は、最後まで読んでみてください。


「スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集 」の商品説明

  • 本テキストは、FP2級の「基本テキスト」(教科書・参考書・テキスト)と「問題集」の位置づけです。
  • 学習対象者は、「初学者」から「リベンジ組」を対象としています。
    復習・暗記用途にも使えますが、特に時間がない人に向いています。
  • 本テキストを読んだ第一印象は、ページ総数が少なく、合格に必要な知識のみが掲載されている」ということです。


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徹底レビュー

評判のいい「スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集 2024-25年版」【プロがレビュー】

「2024-25年版 スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集」表紙
「2024-25年版 スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集」表紙

結論は、「合格に必要な知識」に絞って解説しており、勉強時間を短縮させたい方は買いです。

その「メリット」、「デメリット」、「評価点」を見ていきましょう。

▼メリット

  • 「要点・暗記重視」型のテキストであり、合格に必要な知識だけ記載されていますので合理的な学習が行えます。
  • 「ページ総数」が少ないため、勉強時間を多く取れない方に適しています。
  • 配色が黒と赤の2色刷りで長時間勉強しても目が疲れません
  • ページの縦分割がなく(1ページが縦1列)読みやすいです。
  • 出題頻度の高い論点とそうでない論点がわかりますので、「余裕があればやる、なければ飛ばす」といった判断がしやすいです。
  • 法改正に対応しています。

▼ややデメリット

  • 表形式で表現したほうがわかりやすい論点が文章で説明されています。
    本教材は「要点・暗記重視」タイプのテキストであり、暗記しやすく表形式にまとめるためにはページ数を多く割かなければならないため表形式の表現が少なくなっています。
    ※ただし「要点・暗記重視」タイプのテキストを必要とする受験生(要点整理や復習用途)には問題ありません。
  • 論点の理解という意味では、説明を削っている分、やや論点の特徴がつかみずらい部分があります。
    ※ただし、本テキストは、「要点・暗記重視」タイプのテキストのため(「詳細説明」タイプのテキストと異なり)、理解よりも試験に必要な知識を学習していく使い方を想定しているため、この使い方が合っている受験生の方はデメリットになりません。

▼本テキストのタイプ

本 基本テキストのタイプは、「要点・暗記重視」型のテキストになっています。

「基本テキストのタイプ」の説明

▼「バランス」型テキスト
・イラストと図表、文章説明の「バランスがよい」基本テキストです。
・メリット:オールラウンド(下の中間)の特性をもったテキストです。初学者がはじめに用意したいテキストです。
・対象者:初学者、中級者 向け

▼「詳細説明」型テキスト
・文章説明が「詳細かつ正確性を重視」したテキストです。
・メリット:論点の詳しい説明があったり、法律系の試験の場合 正確な条文が記載されていたりします。
・対象者:中級者 向け

▼「要点・暗記重視」型テキスト
・出題頻度が高い「要点や用語のみ」を集めたテキストです。
 詳しい説明が必要な場合は、他の基本テキストから確認することが前提です。
・メリット:要点の「復習や暗記」が効率的にできます。
・対象者:復習向け、暗記向け、リベンジ組、時間がない人向け

(※スマホ方は、ピンチイン・ピンチアウトにて拡大・縮小ができます)

基本テキストのタイプ「スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集」
基本テキストのタイプ「スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集」


▼評価点は「46点/50点」です

当サイトは、独自の「評価項目」を用いて、本テキストを「評価点」をつけて評価しています。

  • 「評価項目」は、10項目です。
  • 「評価点」は、「評価項目」ごとに5点、全体で50点満点(10項目×5点)としています。

※40点以上は高得点です。

評価項目と評価点

カテゴリ評価項目評価点
(各5点)
内容面
①出題頻度A,B,Cランクの内容が
 網羅されているか?(網羅性)
②暗記箇所が
 整理されているか?
③論点が理解しやすいか?
④法改正に対応しているか?
⑤テキストの途中に問題が
 挟まれていないか?
外観面
⑥ページ総数が多すぎないか?
⑦ページの縦分割がないか?
(1ページが縦1列か)
⑧理解を助けるイラストや図表が
 適度に含まれているか?
⑨カラフル過ぎないか?
差別化要素
⑩テキスト独自の差別化要素
合計点数
46/50

※評価項目ごとの評価点・評価基準は当サイトの独自のものです。
 定期的に調整していますので評価点が変わる場合がありますのでご注意ください。
※また、評価点は人によって感じ方が異なります。
 その場合は,点数よりも評価内容を参考になさってください。


 以下に、理由・根拠を詳しく解説します。

スッキリわかる FP技能士2級・AFP テキスト+問題集 2024-25年版【徹底レビュー】

それでは理由・根拠を詳しく、以下の「評価項目」を用いて点数をつけて評価していきます。

  • 「評価項目」は、10項目です。
  • 「評価点」は、「評価項目」ごとに5点、全体で50点満点(10項目×5点)としています。


①出題頻度 A、B、Cランクの内容が網羅されているか?(網羅性)

すべて網羅しています。→ 5点

根拠

「課目」ごとの「出題頻度 A,B,Cランク」の網羅性は、下表のとおりです。

「出題頻度A,B,Cランク」の網羅性

課目「出題頻度A,B,Cランク」の網羅性
A ライフプランニングと資金計画8/12論点の「A,B,Cランク」網羅
B リスク管理5/7論点 の「A,B,Cランク」網羅
C 金融資産運用11/13論点 の「A,B,Cランク」網羅
D タックスプランニング12/17論点 の「A,B,Cランク」網羅
E 不動産7/9論点 の「A,B,Cランク」網羅
F 相続・事業承継8/11論点 の「A,B,Cランク」網羅
51/69論点 網羅

・日本FP協会の「FP2級の試験範囲」をもとに、直近 8回分の過去問を確認し「出題頻度」のランク付けを行っています。
・ランク付けは、出題傾向を考慮し、直近の過去問5回分程度の出題頻度から調整しています。

日本FP協会「FP2級 試験範囲」
https://www.jafp.or.jp/exam/subjects_02/

「出題頻度 A,B,Cランク」とは?

  • Aランクは、毎回(過去に5回以上/8回中)出題される頻度が高い論点であり、必至で覚えなければならない知識です。
  • Bランクは、ほぼ毎回(過去に4回/8回中)出題される頻度が高い論点であり、こちらも2番目に優先して覚えなければならない知識です。
  • Cランクは、2,3回に1度程度(過去に1~3回/8回中)のペースで出題される論点で、余裕があったら覚えたい知識です。
  • Pランクは、出題回数が0回(8回中)の論点であり、時間を割かないほうがいい知識です。

■詳細な「論点別」の「出題頻度 A,B,Cランク」の網羅性は、下表になります。

(※スマホの方は、ピンチイン・ピンチアウトにて、拡大・縮小ができます)

論 点出題頻度
(A:高,B:中,C:低)
スッキリわかる
FP技能士2級

テキスト+問題集
2024-25年版(TAC)
網羅性(〇/△/なし)
■A ライフプランニングと資金計画
1.ファイナンシャルプランニングと倫理
Cなし
(出題頻度[低]で問題なし)
2.ファイナンシャルプランニングと関連法規
A
3.ライフプランニングの手法プロセス
A
(考え方はP)
4.社会保険(公的医療保険雇用保険)
A
(労災保険、育児休業、
 介護休業はP)
5.公的年金(国民年金、厚生年金)
A+
6.企業年金個人年金等
A
(財形年金はP)
7.年金と税金
Pなし
(出題ゼロで問題なし)
8.ライフプラン策定上の資金計画
 (住宅、教育資金)
A
(リタイアメントプランニングはP)
9.中小法人の資金計画
 (資金調達プランニング)
B
10.ローンとカード
Cなし
(出題頻度[低]で問題なし)
11.ライフプランニングと資金計画の
  最新の動向
Pなし
(出題ゼロで問題なし)
12.貸借対照表損益計算書
 (※最近の頻出)
A
■B リスク管理
1.リスクマネジメント
Pなし
(出題ゼロで問題なし)
2.保険制度全般(保険業法、保険法)
B
3.生命保険
A
(保険約款、
 保険の権利の評価はP)
4.損害保険
A
(損害賠償の法的知識はP)
5.第三分野の保険
A
6.リスク管理と保険
A
7.リスク管理の最新の動向
Pなし
(出題ゼロで問題なし)
■金融資産運用
1.マーケット環境の理解
A
(金融商品の選択はP)
2.預貯金金融類似商品等
 (預貯金、信託商品)
A
3.投資信託(特徴)
A
(投資信託の分類、
 ディスクロージャーはP)
4.債券投資(特徴)
A
(債権のリスク、
 特殊な債権はP)
5.株式投資
A
6.外貨建商品(特徴)
C
(特殊な外貨建商品、
 ドル円換算はP)
7.保険商品
Pなし
(出題ゼロで問題なし)
8.金融派生(デリバティブ)商品(特徴)
B
(オプション,スワップはP)
9.ポートフォリオ運用(理論)
A
(投資リスクはP)
10.金融商品と税金
A
11.セーフティネット
A
12.関連法規
B
13.金融資産運用の最新の動向
Cなし
(出題頻度[低]で問題なし)
■タックスプランニング
1.わが国の税制
Cなし
(出題頻度[低]で問題なし)
2.所得税の仕組み
A
(税額の計算はP)
3.各種所得の内容(計算)
A
4.損益通算
B(損失の繰越しはP)
5.所得控除
A
6.税額控除
A
7.所得税の申告と納付
A
(源泉徴収はP)
8.個人住民税
Pなし
(出題頻度[低]で問題なし)
9.個人事業税
Pなし
(出題ゼロで問題なし)
10.法人税
A
(益金、同族家族の規定はP)
11.法人住民税
P
12.法人事業税
P
13.消費税
A
14.会社、役員間および会社間の税務
A
15.決算書と法人税申告書
C
16.諸外国の税制度
P
なし
(出題ゼロで問題なし)
17.タックスプランニングの最新の動向
P
なし
(出題ゼロで問題なし)
■不動産
1.不動産の見方(調査)
A
(不動産の種類はP)
2.不動産の取引
 (宅建業法、留意点、借地借家法)
A
3.不動産に関する法令上の規制
 (都市計画,建築基準法)
A
(国土利用計画、農地、
 土地区画、都市再開発、
 土地収用法はP)
4.不動産の取得保有に係る税金
A
5.不動産の譲渡に係る税金
 (個人の税金、課税の特例)
A
(法人の税金はP)
6.不動産の賃貸
Pなし
(出題ゼロで問題なし)
7.不動産の有効活用(手法)
A
(建築関係はP)
8.不動産の証券化
P
9.不動産の最新の動向
Pなし
(出題ゼロで問題なし)
■相続事業承継
1.贈与と法律
A
2.贈与と税金
A
(納税義務者、農地の特例、
 災害免除はP)
3.相続と法律
A
4.相続と税金
A
(納税義務者、農地の特例、
 災害免除はP)
5.相続財産の評価(株式等)
B
(動産、
 ゴルフ会員権の評価はP)
6.相続財産の評価(不動産)
A(農地の権利、負担付贈与、
  個人間売買の評価はP)
7.不動産の相続対策(延納物納対策、
 相続税引下げや移転、遺産分割対策)
C
(延納・物納あり)
8.相続と保険の活用
C
(株式公開・株式売却、
 遺留分の特例はP)
なし
(出題頻度[低]で問題なし)
9.事業承継対策(非上場株式の贈与税
 相続税の納税猶予制度)
C
10.事業と経営(M&A、会社法)
Pなし
(出題ゼロで問題なし)
11.相続事業承継の最新の動向
Pなし
(出題ゼロで問題なし)
論点数 計
6951
(〇は1、△は0.5
小数点は切上で集計)
評価点:
コメント:
5点/5点中
A,B,Cランクを網羅

論点数に対する網羅性は少なく見えますが、試験に必要な知識に絞っていますので効率的な学習が行えます。


②暗記箇所が整理されているか?

おおむね整理されていますが、一部 表形式で表現したほうがわかりやすい論点が文章で説明されています。
→ 4点

理由:次の2つがポイントとなります。

  • 「似たような論点を比較しながらまとめて」おり暗記しやすい
  • 「表形式で内容を分けて整理して」おり暗記しやすい

根拠

■①「似たような論点を比較しながらまとめて」おり暗記しやすい

▼例:ライフの「4.国民年金基金・小規模企業共済・中退共」(P29)

国民年金基金・小規模企業共済・中退共は、税法上取扱い、掛け金の限度額、受取方法を混同して覚えがちですが、次のように上段に「制度」、左列に「税法上取扱い」「限度額」「受取方法」としてまとめることで、組み合わせを比較しながら暗記しやすいです。

ライフの「4.国民年金基金・小規模企業共済・中退共」(P29)
ライフの「4.国民年金基金・小規模企業共済・中退共」(P29)

▼例:ライフの「4.公的年金の併給調整」(P60)

老齢年金は「基礎」と「厚生」があり、さらに「老齢」「障害」「遺族」に分かれており混乱してしまいがちですが、次のように上段に「基礎」、左列に「厚生」としてまとめることで、基礎と厚生の組み合わせを比較しながら暗記しやすいです。

ライフの「4.公的年金の併給調整」(P60)
ライフの「4.公的年金の併給調整」(P60)


■②「表形式で内容を分けて整理して」おり暗記しやすい

▼例:リスクの「ハーフタックスプラン」(P90)

表形式で表現したほうがわかりやすい論点が文章で説明されています。
ハーフタックスプランは、だれが契約者、被保険者、保険金受取になるかで経理処理が変わってきますので表を活用したほうが暗記しやすいです。

リスクの「ハーフタックスプラン」(P90)
リスクの「ハーフタックスプラン」(P90)

・【参考】LEC「FP2級 速習テキスト」では、次のように「ハーフタックスプラン」を表形式にして「保険金受取人」を暗記しやすくしています。

1つの論点の中で知識が複数に分かれるものは、文章で説明されてもなかなか整理ができませんが、次のように表形式で経理処理の知識を整理することで暗記しやすくなります。

リスクの「ハーフタックスプラン(福利厚生プラン)の経理処理」(P166)
リスクの「ハーフタックスプラン(福利厚生プラン)の経理処理」(P166)

本教材は「要点・暗記重視」タイプのテキストであり、暗記しやすく表形式にまとめるためにはページ数を多く割かなければならないため表形式の表現が少なくなっています。
※ただし「要点・暗記重視」タイプのテキストを必要とする受験生(要点整理や復習用途)には問題ありません。

暗記は、次のように整理されていると覚えやすくなります。
・「似たような論点を比較しながら まとめている」こと
・「表形式に整理されている」こと


③論点が理解しやすいか?

おおむね論点が理解しやすいですが、「要点・暗記重視」タイプのテキストのため論点の説明が割愛されている部分があります。→ 4点

理由

「要点・暗記重視」タイプのテキストのため(「詳細説明」タイプのテキストと異なり)、理解よりも試験に必要な知識を合理的に学習していくタイプの教材になるためです。

金融の「投資信託」(検証1)では、「①要点」にてイメージから入り、「②学習のポイント」にて試験に頻出の論点を次々に学習していきます。

根拠

【検証1】:金融の「投資信託」を例に検証してみます。(金融の「5.投資信託」P150))

  • 要点
    はじめに、この項目(投資信託)の要点の説明があり、投資信託の仕組みと出題される論点を確認します。
  • 学習のポイント
    次に、出題頻度の高い論点を次々と学習していきます。

■1.要点

はじめに、この項目(投資信託)の「要点」の説明があり、投資信託の仕組みと出題される論点を確認します。

金融の「5.投資信託」(P150-152)
金融の「5.投資信託」(P150-152)

■2.学習のポイント

次に、出題頻度の高い論点を次々と学習していきます。

・「投資信託を構成するプレーヤーと役割」

金融の「5.投資信託」(P150-152)
金融の「5.投資信託」(P150-152)

・「投資信託の分類」

金融の「5.投資信託」(P150-152)
金融の「5.投資信託」(P150-152)

・「投資信託の3つのコスト」

金融の「5.投資信託」(P150-152)
金融の「5.投資信託」(P150-152)

本教材は「要点・暗記重視」タイプのテキストであり(「詳細説明」タイプのテキストと異なり)、理解よりも試験に必要な知識を学習していく教材となります。そのため「①要点」→「②学習のポイント」という必要な知識を確認するシンプルな教え方になっています。
(理解しやすいテキストにするためには、わかりやすい文章、わかりやすいイラスト・図表を用いて教材を構成する必要があり、ページ数が多くなります)
※ただし「要点・暗記重視」タイプのテキストを必要とする受験生(要点整理や復習用途)には問題ありません。

一般に理解のしやすさは、学習のイメージ(定義や流れ)をつかんだうえで、解説(特徴や仕組み)に進むことで、論点が理解しやすくなります。


④法改正に対応しているか?

法改正に対応しています。→ 5点

根拠

以下のように、法改正に対応しています。

■ライフプランニング

▼老齢基礎年金について

・【改定前】:2023年度の老齢基礎年金額(満額)は、795,000円 であった。
・【改定後】:2024年度の老齢基礎年金額(満額)は、816,000円 となる。

ライフの「1.老齢基礎年金の計算式」(P345)
ライフの「1.老齢基礎年金の計算式」(P345)

▼老齢厚生年金等について

・【改定前】:2023年度の配偶者の加給年金額(特別加算は含めない)は、228,700円 となる。
 子の加給年金額(第1子,第2子)は、228,700円 となる。
 子の加給年金額(第3子以降)は、76,200円 となる。
・【改定後】:2024年度の配偶者の加給年金額(特別加算は含めない)は、234,800円 となる。
 子の加給年金額(第1子,第2子)は、234,800円 となる。
 子の加給年金額(第3子以降)は、78,300円 となる。

「改正ポイント」一覧(冒頭 P3)
「改正ポイント」一覧(冒頭 P3)

■金融資産運用

NISA制度が、新NISA制度にて拡充されます。

▼年間投資上限額について

・【改定前】:つみたてNISAが40万円、一般NISAが120万円 であった。
・【改定後】:つみたて投資枠(名称変更)が120万円、成長投資枠(名称変更)240万円 となる。

▼非課税期間について

・【改定前】:つみたてNISAが20年間、一般NISAが5年間 であった。
・【改定後】:制限なし(無期限)となる。

金融の「2.NISA(少額投資非課税制度)」(P166)
金融の「2.NISA(少額投資非課税制度)」(P166)

■相続

▼贈与税の計算方法について

・【改定前】:(贈与者ごとに1年間に贈与を受けた合計額-2,500万円)×一律20% であった。
・【改定後】:{(贈与者ごとに1年間に贈与を受けた合計額-毎年110万円の基礎控除)-2,500万円}×一律20% となる。

相続の「1.贈与税の計算」(P292)
相続の「1.贈与税の計算」(P292)

ほかにもありますが、法改正に対応しています。
法改正は試験で毎年狙われますので、対応していると安心感があります。


⑤テキストの途中に問題が挟まれていないか?

テキストの途中に問題が挟まれています。→ 4点

根拠

テキストの途中に「複数問」の問題が含まれているため、4点としました。

※ただし、節単位の最後に(事後テストとして)含まれているため、本文の途中に挟まれているものより影響は少ないですし、受験生の学習スタイルに合わせて、 事後テストの力試しの置づけとして解きたい場合は、デメリットにならないです。

金融の「9.セーフティネット」(P174)
金融の「9.セーフティネット」(P174)

テキストを学習しているときと、問題を解くときは、頭の使う部分が異なるため、テキストの途中に問題が挟まれていると、インプットからアウトプットの切り替えが必要になり「理解・暗記の学習ペース」が乱されてしまう。(参考、テキストによっては、本文の途中に「1問1答」や「複数問」の問題が含まれているものがある)
できれば、テキストと演習問題は、本自体を物理的に分けて学習したい。

※参考:
本記事は「問題集」の教材評価ではなく「テキスト」の評価ですので問題集部分の細かい評価は控えますが、「問題演習」の同一ページに「問題」と「解答」があり、解いている最中に「答え」が見えてしまいます。このことは記載しておきます。

参考:なぜ、基本テキストに演習問題が入っているの?
・競争の原理から、教材制作各社とも他社より付加価値を出したい事情から、消費者からみて「基本テキストの中に演習問題も含まれていることはお得感」があり、その結果、基本テキスト+演習問題の構成になっているものが多くなっています。初学者・中級者向けの教材によくあります。
・上級者向けの教材では、説明文だけを掲載したテキストや、演習問題だけを掲載した問題集など、インプットとアウトプットの目的別に分かれています。


⑥ページ総数が多すぎないか?

手持ちのテキストの中では、ページ総数が少ないテキストです。→ 

根拠

課目と実質のページ数は、下表のとおりです。

課目実質ページ数
■学科試験
A.ライフプランニング2-70= 69ページ
B.リスク管理72-117= 46ページ
C.金融資産運用120-176= 57ページ
D.タックスプランニング178-225= 48ページ
E.不動産228-277= 50ページ
F.相続・事業承継280-339= 60ページ
学科 計 330ページ
■実技試験
「金財」
個人資産 相談業務
344-378= 35ページ
■実技試験
「金財」
生保顧客 資産相談業務
380-416= 37ページ
■実技試験
「FP協会」
資産設計提案業務
420-482= 63ページ
実技 計 135ページ

実質のページ総数が「465ページ」であり、ページ数が少ないアドバンテージは大きい
(本テキストは「要点・暗記重視」タイプのため、手持ちの中でページ数が少ないテキストです。バランス型テキスト(詳細説明型より)のLEC「FP2級 速習テキスト」は「573ページ」あります)

2級FPの標準的なテキストは「500ページ」強です。
・本テキストは「465ページ」であり、「要点・暗記重視」タイプのテキストです。
・LEC「FP2級 速習テキスト」は「573ページ」あり、「詳細説明」タイプのテキストです。
「詳細説明」タイプは、初学者向けに「理解するための文章」「イラストや図表」を入れことでページ数がかさむのは必然的であり、初学者が理解を進めるうえではメリットになります(急がば回れ)。
ページ総数と理解のしやすさ(詳しい説明)は、相反関係(トレードオフ)にあることをご理解ください。

参考:ページ総数は、なぜ変わるの?
・繰り返し学習向け、要点の暗記重視のテキストだとページ数が少なくなる傾向があります。
・反対に、初学者向けにイラストや図表を多く入れたり、中級・上級者向けに正確な文章を記載しようとするとテキストのページ数は多くなります。
 ページ数が少ないことは、イラストや図表・正確な文章などを削っており、他のメリットとのトレードオフの関係にあります。


⑦ページの縦分割がないか(1ページが縦1列か)?

1ページが縦1列のレイアウトで分割されておらず、読みやすいです。→ 5点

根拠

下のイメージ画像をご確認ください。

ページの縦分割がなく読みやすい

ページの縦分割がなく読みやすい
ページの縦分割がない

人は、上から下へ、左から右へ 文字を読むため、1ページが縦1列のレイアウトだと読みやすいですが、本テキストは 1ページが縦2列に分割されており少し読みづらいです。
できれば、ページの縦分割がない(1ページが縦1列か)ほうが読みやすい。

このテキストは分割されておらず、とても読みやすいです。(Good!)


⑧理解を助けるイラストや図表が適度に含まれているか?

本文の中にイラストはなく、論点単位(節単位)の冒頭に挿絵がある程度です。→ 4点

図表がメインの構成となっています。

根拠

以下のように、「イラスト」は論点単位(節単位)の冒頭にのみあり、理解を助ける「図表」は適度に含まれています。

▼イラスト

不動産「5.建蔽率・容積率の計算」(P366)

本文の中にイラストはなく、論点単位(節単位)の冒頭に挿絵がある程度です。

不動産「5.建蔽率・容積率の計算」(P366)
不動産「5.建蔽率・容積率の計算」(P366)

▼表

相続「3.相続分」(P300)

理解を助ける「図表」は適度に含まれています。

相続「3.相続分」(P300)
相続「3.相続分」(P300)

本教材は「要点・暗記重視」タイプのテキストであることと、「テキスト部分」と「問題演習部分」に分かれて構成されているため、テキスト部分に理解を助けるイラストを載せるページを確保しづらい製作者側の理由があります。

「イラスト」と「図表」を用いて、イメージや概念から論点に入ることで理解しやすくなるとともに、文字情報で論点に入るよりも頭の負荷が軽減され学習が継続しやすくなります。


⑨カラフル過ぎないか?

「要点・暗記重視」のテキストとして配色がシンプルで読みやすいです。→ 5点

理由

配色が2色で 長時間 勉強しても目が疲れないように設計されています。

根拠

  • 文字の色:黒、赤の 2色
  • イラストの色:黒、赤の2色

■文字の色

黒、赤の2色に統一され読みやすいです。

リスク「2.地震保険」(P96)
リスク「2.地震保険」(P96)

■イラストの色

冒頭のイラストも黒、赤の2色に統一され読みやすいです。

リスク「4.損害保険商品 火災と地震」(P95)
リスク「4.損害保険商品 火災と地震」(P95)

このテキストは、配色がシンプルで読みやすいです。

・初学者向けのテキストは、飽きさせない工夫から全ページカラーのものが多いです。カラフル過ぎると目が疲れてしまうデメリットもあります。
・また、すべてがカラフルだと、どこが大事な部分かわからなくなるデメリットもあり、強調表示のバランスが大事になります。

参考:初学者・中級者・上級者向けのテキストの配色は?
・「初学者向け」のテキストは、飽きさせない工夫から全ページカラーのものが多いです。
・「中級者向け」のテキストは、2色刷りで黒と朱色(赤系)のみで強調表現を分けているものもあります。
・受験を多く経験している「上級者向け」のテキストになると、文字色は1色で太字や下線(アンダーライン)で強調表現しているテキストや、まったく太字や下線もないテキストもあります。
 なお、「上級者」は、重要な部分が自分で分かるため、自ら下線を引いたり、メモ書きを入れるなどカスタマイズすることから、極めてシンプルなテキストを好みます。(本試験の直前には,自分だけのテキストができあがっているイメージです)


⑩テキスト独自の差別化要素

  • 学習の全体像
    課目の章立てごとに「学習の全体像」の説明があり、学習者が「自分がいま何の勉強をしているのか」学習目的を持って勉強ができます。
  • 課目ごとに「頻出論点BEST5」の一覧がある
    今年度、出題可能性が最も高い論点BEST5を確認することができます。
  • 改正ポイントの一覧がある
    試験で狙われる確率が高い法改正の主要な改正ポイントがまとめられています。
  • 「出題率アイコン」の表示
    出題頻度の高い論点に「出題率〇〇%」とアイコンが表示されており、「余裕があればやる、なければ飛ばす」といった判断がしやすいです。
    出題頻度が低い論点にも「出題率〇〇%」とアイコンがあり、飛ばす判断ができます。
     → 5点

根拠

■1.学習の全体像

課目ごと、章立てごとに「何を勉強するか」の学習目標が提示され、学習者が「自分がいま何の勉強をしているのか」の学習目的をもって勉強ができます。

学習の全体像(ライフ P2)
学習の全体像(ライフ P2)

細かいテクニックより「何を勉強するのか?」が一番大切であり、教材の基礎基本がしっかりしているテキストです。


■2.課目ごとに「頻出論点BEST5」の一覧がある

今年度、出題可能性が最も高い論点BEST5を確認することができます。

「頻出論点BEST5」(ライフ P4)
「頻出論点BEST5」(ライフ P4)


■3.改正ポイントの一覧がある

試験で狙われる確率が高い法改正の主要な改正ポイントがまとめられています。改正前と改正後の概要を確認することができます。

改正ポイントの一覧(冒頭 P3)
改正ポイントの一覧(冒頭 P3)


■4.「出題率アイコン」の表示

出題頻度の高い論点に「出題率〇〇%」とアイコンが表示されており、「余裕があればやる、なければ飛ばす」といった判断がしやすいです。

「出題率アイコン」の表示1(ライフ P52)
「出題率アイコン」の表示1

出題頻度が低い論点にも「出題率〇〇%」とアイコンがあり、飛ばす判断ができます。

「出題率アイコン」の表示2(ライフ P54)
「出題率アイコン」の表示2


まとめ

メリット

  • 「要点・暗記重視」型のテキストであり、合格に必要な知識だけ記載されていますので合理的な学習が行えます。
  • 「ページ総数」が少ないため、勉強時間を多く取れない方に適しています。
  • 配色が黒と赤の2色刷りで長時間勉強しても目が疲れません
  • ページの縦分割がなく(1ページが縦1列)読みやすいです。
  • 出題頻度の高い論点とそうでない論点がわかりますので、「余裕があればやる、なければ飛ばす」といった判断がしやすいです。
  • 法改正に対応しています。

ややデメリット

  • 表形式で表現したほうがわかりやすい論点が文章で説明されています。
    本教材は「要点・暗記重視」タイプのテキストであり、暗記しやすく表形式にまとめるためにはページ数を多く割かなければならないため表形式の表現が少なくなっています。
    ※ただし「要点・暗記重視」タイプのテキストを必要とする受験生(要点整理や復習用途)には問題ありません。
  • 論点の理解という意味では、説明を削っている分、やや論点の特徴がつかみずらい部分があります。
    ※ただし、本テキストは、「要点・暗記重視」タイプのテキストのため(「詳細説明」タイプのテキストと異なり)、理解よりも試験に必要な知識を学習していく使い方を想定しているため、この使い方が合っている受験生の方はデメリットになりません。

まとめ

  • 評価点は「46点/50点」であり、結論は、合格に必要な知識のみをおさえて、合理的に合格したい方は「買いです。
  • 評価したところ、学習対象者は「初学者」から「リベンジ組」向けの基本テキストですが、時間がない方にも向いています。

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