「CFP不動産と宅建を受験したいのですが、それぞれの試験で 重複している内容は、どのくらいあるものでしょうか?」
「効率よく勉強したいので、CFP不動産と宅建の、かぶっている内容や論点を教えてほしいです。」
「また、CFP不動産と宅建の、試験の問われ方の違いや、特徴も教えてもらえませんか?
具体的に教えてください。詳しい人!」
本記事の内容
- この記事は、「CFP不動産」と「宅建」の受験を検討している方に、「CFP不動産」と「宅建」試験の重複している出題内容を解説しています。
- 両試験の重複している「出題内容」を表形式でまとめていますから、すぐに確認することができます。
- 両試験の特徴や問われ方の違いも解説していますので、効率よく受験勉強を進めることができます。
本記事の信頼性
- この記事を書いている私は、6月に「CFP不動産」、10月に「宅建」を受験し、両試験ともに合格できました。
- 実際に「CFP不動産」と「宅建」の「過去問題集」を確認して、本記事を記載しています。
この記事を読むことで、CFP不動産と宅建の「重複している内容を確認する時間ロス」をはぶき、効率よく学習を進めていだきたくことができます。
6分で読めますので、最後まで読んでみてください。
もくじ
「CFP不動産」と「宅建」の同時受験をおすすめする理由
同時受験をおすすめする理由は、同年に「CFP不動産」と「宅建」の両試験を効率よく合格することができるからです。
- 私は 2021年6月に「CFP不動産」を受け、そのまま勉強を続け2021年10月に「宅建」を受けましたが、二つの試験は出題範囲が6割 かぶっていますので受験効率が良いです。
- 両試験では問われ方が違いますので、知識の厚みが増し、ひっかけ問題にも対応できるようになりました。
これがおすすめする理由です。
CFP不動産と宅建の重複している「出題内容」を表形式で整理
CFP不動産と宅建の重複している「出題内容」を表形式で整理しました。
- 重複している「出題内容」の確認方法は、
私の手持ちの「CFP精選過去問題集 不動産」と、「宅建 論点別 過去問題集」を確認しました。 - 「CFP精選過去問題集 不動産」の「出題内容」は全部で65個ありますが、その中で宅建の出題と重複している「出題内容」は38個でした。
(したがって、38出題内容(宅建と重複)÷65出題内容(CFPの全出題内容)=6割が重複)
「CFP不動産」と「宅建」試験の 重複している「出題内容」は、以下になります。
※重複している「出題内容」は38個
「項目」名 | 重複している「出題内容」 |
---|---|
不動産の 登記と権利 | ・所有権・抵当権・地上権・賃借権 ・登記簿の見方・取り方 ・登記手続き |
不動産の 法律知識 | ・共有 ・相隣関係 ・借地借家法・普通借地権 ・借地借家法・定期借地権 ・借地借家法・借家権 ・借地借家法・定期借家権 ・区分所有法 ・抵当権、差押、競売、保証人、連帯保証 |
都市計画法 | ・市街化区域・市街化調整区域 ・用途地域、都市計画図 ・開発許可制度 |
建築基準法 | ・建蔽率・容積率・用途地域・防火 ・建築物の高さ制限 ・建築協定・建築確認 ・建物の用途制限 |
土地区画整理事業法 | ・土地区画整理事業法 |
不動産の 価格と評価 | ・鑑定評価(不動産鑑定評価) ・DCF法 ・公示価格 |
宅地建物取引業法 | ・媒介契約 ・手付金 ・重要事項説明、広告 |
不動産の売買 | ・売買の当事者、代理、クーリングオフ ・売主の担保責任、品質確保促進法、住宅瑕疵担保履行法 ・危険負担 ・売買契約書 |
不動産の 取得と税金 | ・不動産取得税 ・登録免許税 ・印紙税 ・住宅借入金特別控除 |
不動産の 保有と税金 | ・固定資産税、都市計画税 |
個人の 譲渡税のしくみ | ・短期譲渡所得、長期譲渡所得 |
各種譲渡・ 借り換え特例 | ・3000万円特別控除 ・軽減税率の特例 ・買換え特例 ※宅建には「適用要件」のみ出題 CFPには「計算問題」「適用要件」が出題 |
上の表から、CFP不動産と宅建の重複している「出題内容」を、いくつかピックアップして検証してみます。
CFP不動産と宅建の重複している「出題内容」をピックアップして検証
次の3つの「出題内容」の問題について、「CFP不動産」と「宅建」の選択肢と解答を比べて検証してみます。
- 「賃借権」の選択肢と解答
- 「区分所有法」の選択肢と解答
- 「不動産鑑定評価」の選択肢と解答
①「賃借権」の選択肢と解答
「CFP不動産」の問題の選択肢:
Q.建物の賃借人は、本物件について建物の賃借権の登記を備えなくても、引渡しを受けていれば、建物の賃借権を第三者に対抗することができるか。
→〇正しい
「宅建」の問題の選択肢:
Q.建物の契約期間中に建物の所有者が建物を第三者に売却した場合、すでに建物の引き渡しを受けている賃借人は建物に賃借権の登記をしていなくても、第三者に対して建物の賃借権があることを主張することができるか。
→〇正しい
解答:
A.建物の賃貸借は、その賃借権の登記がなくても、建物の引き渡しがあれば、賃借権は対抗力を持つ(その後その建物を取得した第三者に対抗できる)。
検証結果:
「CFP不動産」も「宅建」の問題も、建物の賃借人は、建物の引き渡しがあったときは、第三者に対し対抗することができる。という論点を問題にしており、「出題内容が重複」していることが確認できました。
②「区分所有法」の選択肢と解答
「CFP不動産」の「問題」の選択肢:
Q.マンションの占有者(賃借人)は、建物またはその敷地もしくは付属設備の使用方法につき、賃貸借契約締結後の集会の決議に基づき区分所有者と同一の義務を負うか。
→〇正しい
「宅建」の問題の選択肢:
Q.マンションの占有者(賃借人)は、建物またはその敷地もしくは付属設備の使用方法につき、区分所有者が規約または集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うか。
→〇正しい
解答:
A.規約や集会の決議の内容は、占有者(マンションの賃借人など)にも効力が及ぶ。
検証結果:
「CFP不動産」も「宅建」も、マンションの占有者(賃借人)は区分所有者と同一の義務を負う。という論点を問題にしており、「出題内容が重複」していることが確認できました。
③「不動産鑑定評価」の選択肢と解答
「CFP不動産」の問題の選択肢:
Q.取引事例比較法において、取引事例に売急ぎ、買い進み等の特殊な事情がある場合であっても、近隣地域内の対象不動産と類似の不動産の取引事例においては、特に補正を要することなく採用することができるか。
→×誤り
「宅建」の問題の選択肢:
Q.鑑定評価の各手法の適用に当たって必要とされる取引事例等については、取引等の事情が正常なものと認められるものから選択すべきであり、売り急ぎ、買い進み等の特殊な事情が存在する事例を用いてはならないか。
→×誤り
解答:
A.売り急ぎ、買い進みが価格に影響するときは事情補正すればいい。
検証結果:
「CFP不動産」も「宅建」も、取引事例に売急ぎ、買い進みがあった場合に事情補正すれば事例を採用することができる。という論点を問題にしており、「出題内容が重複」していることが確認できました。
前述のように、3つの出題内容を確認しましたが、論点が重複していることが確認できました。
これが「CFP不動産」と「宅建」の同時受験をおすすめする理由です。
重複している出題内容はわかったが、
反対に「CFP不動産には出題されるが、宅建には出題されない内容」はあるのか? という疑問がわくかもしれません。
以下のように、「CFP不動産」にだけ出題される内容もあります。
CFP不動産には出題されるが、宅建には出題されない内容
以下の出題内容は「計算問題」がほとんどで、CFP不動産には出題されますが、宅建には出題されません。
各種譲渡・買い替えの特例の計算問題
※CFP不動産のみ出題
- 3000万円の特別控除の「計算問題」(「適用要件」もCFP不動産に出題される)
- 軽減税率の特例の「計算問題」(「適用要件」もCFP不動産に出題される)
※宅建の場合は、「適用要件」のみが出題されます。
・3000万円の特別控除の「適用要件」
・軽減税率の特例の「適用要件」
土地有効活用事業手法(不動産の有効活用/等価交換方式)
※CFP不動産のみ出題
- 土地の有効活用の各々の出資者の出資割合(計算問題)
- 効用積数の算定(計算問題)
- 各々の出資者が取得する専有面積の面積の算定(計算問題)
- 立体建て替え特例に関する知識(宅建には出題されない文章問題です)
不動産投資と商品(不動産投資分析/不動産所得・収支計算)
※CFP不動産のみ出題
- 収益性から求めた不動産価格の算定(計算問題)
- 投資利回りの計算(計算問題)
- 5年間の純収益の現在価値の算定(計算問題)
- 不動産証券化の関連用語に関する知識(宅建には出題されない文章問題です)
ライフプランと不動産
※CFP不動産のみ出題
- 老後の生活設計と不動産(宅建には出題されない文章問題です)
- リバースモーゲージ(宅建には出題されない文章問題です)
前述のように、
・CFP不動産では「文章問題」と「計算問題」の問題が出題されますが、
・宅建では「文章問題」(適用要件)がメインになっている
ことに気づくと思います。
これは試験のコンセプトの違いからきているもので、それぞれの試験で問われ方が違います。
CFPと宅建の試験のコンセプトの違い
CFPと宅建は、それぞれの試験のコンセプトの違いから問われ方が異なります。
- CFPは、金融系の試験で、ユーザー目線の利益に立ったキャッシュフローを求め、それを提案をできるかを問う試験です。
- 宅建は、不動産の法律の試験で、その法律や制度の知識を問う試験です。
CFPは「計算問題」が多く問われ、宅建試験は「文章問題」がメインで問われる試験になっています。
それぞれの試験の「計算問題」と「文章問題」の割合を見てみます。
CFP不動産と宅建の試験の「計算問題」と「文章問題」の割合
CFP不動産の試験は「計算問題」が半分を占める
- CFP不動産の試験は、「計算問題」が半分を占めます。
計算問題は比較的簡単なものから、数行の計算式を必要として解答までに時間かかる問題もあります。
CFP試験の対策としては、定型の計算問題の演習をかさね、処理スピードを上げて、余裕を持って解答を終えることができるようにする必要があります。 - 宅建に出題される「計算問題」は、「報酬額」の計算くらいです。
宅建はCFP試験よりも試験時間に余裕がありますから、最後に計算してもいいです。
宅建は、知識を問う「文章問題」がメイン
- 宅建の試験は、知識を問う「文章問題」がメインです。
宅建試験はCFPよりも、法律や制度の適用要件の細かい論点・用語まで聞いてきます。(ひっかけ問題も作りやすい)
宅建試験の対策としては、正確に論点を暗記することと、選択肢の文末まで気を抜かずに読解することが重要です。 - CFPの「文章問題」は、論点の概要や要点を聞いてくるものがほとんどです。
宅建のように深くまで聞かれません。(ひっかけ問題も少ない)
割合として、CFPは「文章問題」と「計算問題」が半々、宅建は「文章問題」が大部分ということです。
まとめ:CFP不動産と宅建は、同時受験をおすすめします
前述のように、「CFP不動産」と「宅建」試験について、重複している内容、特徴、問われ方の違いを解説してきました。
「CFP不動産」と「宅建」は、出題範囲が6割かぶっており、勉強の効率がとても良いので、同時受験をおすすめいたします。
6月に「CFP不動産」、10月に「宅建」を受験し、両試験ともに合格を勝ち取りましょう。
今回は「CFP不動産と宅建の重複している内容」を解説してきました。
出題傾向を知ることも大切ですが、CFPと宅建の「勉強方法」や「難易度」についてはさらに重要です。
以下の記事では、「CFPの勉強方法」および「宅建の勉強方法」、「CFPと宅建の難易度 比較」も解説していますので、ぜひ あわせてお読みください。
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