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ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版【プロがレビュー】

ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版
ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版

【ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版】って、評判が良いみたいですけど勉強しやすいですか?

法律の原則と例外がわかりやすく記載されていますか。

理解しやすく記載されていたり、暗記しやすいように整理されていますか。

ページ数は多すぎませんか。 あと、法改正に対応していますか?

要するに、、このテキストを使って宅建に合格できますか?
具体的に教えて、詳しい人!

こういった疑問にお答えします。


本記事の内容

  • 元教材制作者の筆者が「ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版」の教材評価を行っています。
  • 独自の10個の評価項目を用いて徹底評価し、点数づけしています。
    (「出題頻度」「暗記箇所の整理」「論点の理解しやすさ」など)
  • 本記事を読むことで、変な教材に手を出して無駄な時間とお金を使うこともなくなります。


記事の信頼性

この記事を書いた人

CFP ®資格認定者 / 1級FP技能士 / 宅地建物取引士 / 第二種 情報処理技術者 / 日商簿記 等

教材制作会社に6年間 勤務
eラーニング・企業内研修用の「教材制作」「教材評価」の業務に携わる.

業務経験からFP・宅建の学習用教材を評価し,マニアックに解説しています.


この記事を読むことで、勉強開始までの「教材選択の時間ロス」をはぶき、効率よく学習を進めていだきたくことができます。


5分で読めるので、この教材の評価が知りたい方は、最後まで読んでみてください。


「ユーキャンの宅建士 きほんの教科書」テキストの商品説明

  • 本テキストは、「基本テキスト」(教科書・参考書・テキスト)の位置づけです。
  • 学習対象者は、「初学者」から「リベンジ組」まで使えます。
  • 本テキストを読んだ第一印象は、「法律の原則と例外を色分けで確認しやすい」かつ「1ページが縦に分割されていなくて読みやすい」ことです。



独学の方に朗報です。

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徹底レビュー

評判のいい「ユーキャンの宅建士 きほんの教科書」2025年版【レビュー】

「ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版」表紙
「ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版」表紙

結論は、ページ数が適量で、法律の原則・例外が確認しやすいテキストを探している方は「買い」です。

本テキストの「メリット」、「デメリット」、「評価点」を見ていきましょう。

▼メリット

  • 「バランス」型テキストであり、論点の詳しい説明や、ページの分量(597ページ)が適量です。
    (「詳細説明」型テキストと「要点・暗記重視」型テキストの中間の特性を持つテキストという意味)
  • 法律には原則と例外があり、原則が黄色のアンダーライン、例外が青色のアンダーラインが引かれその違いを解説しています。
  • 暗記箇所が整理されています。
  • ページの縦分割がなく(1ページが縦1列)読みやすいです。
  • 出題頻度の高い論点、過去に出題された箇所がアイコン表示でわかります。
  • 法改正に対応しており、改正情報がアイコン表示でわかります。

▼ややデメリット

・デメリットは特にありませんが、「バランス」型テキストのため「詳細説明」型テキストよりも、「論点の詳しい説明」「事例による解説」が少なく、また「法律の正確な条文」(一部「マイナー論点」含む)は掲載されていません。特に民法の理解を進めるうえでは「詳細説明」型テキストのほうが効果的な場面があります。(ただし「詳細説明」型テキストはページ数が多くなりるデメリットがあります)
・また、宅建は暗記重視の試験ですので、繰り返し学習に向く「要点・暗記重視」型テキストのほうが暗記しやすい場面もあります。(「要点・暗記重視」型テキストはページ数が少ない)
・「詳細説明」型のテキストは、「理解するための文章」「理解するためのイラストや図表」を入れるとページ数がかさむのは必然的であり、ページ総数と理解のしやすさは相反関係にあります。
※前述は良い悪いではなく、受験生の知識レベルや、仕事の忙しさの状況に応じて、「バランス」型、「詳細説明」型、「要点・暗記重視」型のテキストを選択すればデメリットもメリットになるということです。

▼本テキストのタイプ

本「ユーキャンの宅建士 きほんの教科書」のタイプは、
「バランス」型の特性をもったテキストになっています。

「基本テキストのタイプ」の説明

▼「バランス」型テキスト
・イラストと図表、文章説明の「バランスがよい」基本テキストです。
・メリット:オールラウンド(下の中間)の特性をもったテキストです。初学者がはじめに用意したいテキストです。
・対象者:初学者、中級者 向け

▼「詳細説明」型テキスト
・文章説明が「詳細かつ正確性を重視」したテキストです。
・メリット:論点の詳しい説明があったり、法律系の試験の場合 正確な条文が記載されていたりします。
・対象者:中級者 向け

▼「要点・暗記重視」型テキスト
・出題頻度が高い「要点や用語のみ」を集めたテキストです。
 詳しい説明が必要な場合は、他の基本テキストから確認することが前提です。
・メリット:要点の「復習や暗記」が効率的にできます。
・対象者:復習向け、暗記向け、リベンジ組、時間がない人向け

(スマホの方は、ピンチイン・ピンチアウトにて拡大・縮小ができます)

「ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版」基本テキストのタイプ
「ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版」基本テキストのタイプ


▼評価点は「48点/50点」です

当サイトは、独自の「評価項目」を用いて、本テキストを「評価点」をつけて評価しています。
※40点以上は高得点です。

・「評価項目」は、10項目です。
・「評価点」は、「評価項目」ごとに5点、全体で50点満点(10項目×5点)としています。

評価項目と評価点

カテゴリ評価項目評価点
(各5点)
内容面
①出題頻度A,B,Cランクの内容が
 網羅されているか?(網羅性)
②暗記箇所が
 整理されているか?
③論点が理解しやすいか?
④法改正に対応しているか?
⑤テキストの途中に問題が
 挟まれていないか?
外観面
⑥ページ総数が多すぎないか?
⑦ページの縦分割がないか?
(1ページが縦1列か)
⑧理解を助けるイラストや図表が
 適度に含まれているか?
⑨カラフル過ぎないか?
差別化要素
⑩テキスト独自の差別化要素
合計点数
48/50

※評価項目ごとの評価点・評価基準は当サイトの独自のものです。
 定期的に調整していますので評価点が変わる場合がありますのでご注意ください。
※また、評価点は人によって感じ方が異なります。
 その場合は,点数よりも評価内容を参考になさってください。

 以下に、理由・根拠を詳しく解説します。


ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版【徹底レビュー】

理由・根拠を詳しく、以下の「評価項目」を用いて点数をつけて評価していきます。

  • 「評価項目」は、10項目です。
  • 「評価点」は、「評価項目」ごとに5点、全体で50点満点(10項目×5点)としています。


①出題頻度 A、B、Cランクの内容が網羅されているか?(網羅性)

すべて網羅しています。→ 5点

「科目」ごとの「出題頻度 A,B,Cランク」の網羅性は、下表のとおりです。

「出題頻度A,B,Cランク」の網羅性

科 目「出題頻度A,B,Cランク」の網羅性
宅建業法15/15論点の「A,B,Cランク」網羅
民 法23/24論点 の「A,B,Cランク」網羅
法令上の制限 6/6論点 の「A,B,Cランク」網羅
税・その他 9/10論点 の「A,B,Cランク」網羅
53/55論点 網羅

根拠:詳細な「論点別」の「出題頻度 A,B,Cランク」の網羅性は、下表になります。
(※スマホの方は、ピンチイン・ピンチアウトにて、拡大・縮小ができます)


※宅建の試験範囲をもとに、12年分の過去問を確認し「出題頻度」のランク付けを行いました。

「出題頻度 A,B,Cランク」とは?

  • Aランクは、毎年出題される出題頻度が高い論点であり、必至で覚えなければならない知識です。
  • Bランクは、2年に1度程度のペースで出題される論点で、こちらも2番目に優先して覚えなければならない知識です。
  • Cランクは、5年に一度程度のペースで出題される論点で、余裕があったら覚えたい知識です。
  • Pランクは、10年に一度程度のペースで出題される論点で、あまり時間を割かないほうがいい知識です。

■根拠:詳細な「論点別」の「出題頻度 A,B,Cランク」の網羅性は、下表になります。

(※スマホの方は、ピンチイン・ピンチアウトにて、拡大・縮小ができます)

論 点出題頻度
(A:高,B:中,C:低)
ユーキャンの宅建士
きほんの教科書

2025年度版 TAC
網羅性(〇/△/なし)
■宅建業法
1.宅地建物取引業
A
2.免許
A
3.宅地建物取引士
A
4.事務所の設置
A
5.営業保証金
A
6.保証協会
A
7.広告や契約の注意事項
A
8.業務における諸規定
A
9.媒介代理契約の規制
A
10.35条 重要事項説明
A
11.37条書面(契約書)
A
12.自ら売主の制限
 (8種規制)
A
13.報酬額の規制
A
14.監督処分と罰則
A
(罰則はC)
15.住宅瑕疵担保履行法
A
■民法(権利関係)
1.制限行為能力者
B
(被保佐人,
被補助人はC)
2.意思表示
A
(心裡留保はC)
3.代理
A
(表見代理はP)
4.時効
B
5.物権変動・対抗問題
A
6.相隣関係
P
(ありP199)
7.共有
P
8.抵当権
A
(根抵当権はP)
9.その他の担保権
P
(地役権,留置権,
 先取特権,質権はP)

(地役権ありP202,
留置権なし,
先取特権なし,
質権なし)
10.保証・連帯保証
C
11.連帯債務
C
12.債権譲渡
C
13.債務不履行
A
14.弁済相殺
P
(弁済P48,
相殺P52)
15.契約不適合責任
A
16.賃貸借契約
A
(賃借権の譲渡・転貸)
17.借地借家法
 (借地権)
A
(裁判所の許可はC,
建物の再築はP)
18.借地借家法
 (借家権)
A
(借地上の建物の
 賃借権はC)
19.その他の契約
C
(使用貸借,
 請負,贈与)

(使用貸借ありP151
請負ありP86,
委任ありP86,
贈与なし。
頻度[低]で問題なし)
20.事務管理
C
21.不法行為
B
(共同不法行為はC)
22.相続
A
(欠格・廃除はC,
 遺留分はC)
23.不動産登記法
A
(合筆・分筆はP)
24.区分所有法
A
■法令上の制限
1.都市計画法
A
(地区計画はC)
2.建築基準法
A
3.国土利用計画法
A
(事前届け出はP)
4.農地法
A
5.土地区画整理法
A
6.盛土規制法
A
(監督処分,
 災害防止措置はC)
■税・その他
1.不動産取得税
 固定資産税
A
2.所得税
C
3.印紙税
A
4.登録免許税
A
5.相続税贈与税
P
(相続税なし,
贈与税ありP199。
頻度[低]で問題なし)
6.不動産鑑定評価基準
A
7.地価公示法
A
8.住宅金融支援機構法
A
9.景品表示法
 公正競争規約
A
10.土地建物
A
論点数 計
5553
(〇は1、△は0.5
小数点は切上で集計)
評価点:
コメント:
5点/5点中
A,B,Cランクを網羅

宅建の基本テキストのなかでは、網羅性は「53/55」の頻出な論点が載っており問題ありません。
(参考までに「詳細説明」型テキストは「55論点」すべての論点が載っています。あまり気にしなくて構いません)


②暗記箇所が整理されているか?

整理されています。→ 5点

理由

  • 「似たような論点を比較しながらまとめて」おり暗記しやすい
  • 「(1つの論点の中の)複数の知識を表形式で整理して」おり暗記しやすい

根拠

■①「似たような論点を比較しながらまとめて」おり暗記しやすい

▼権利関係「意思表示まとめ」(P17)

 似たような論点の、取り消しの「強迫」「詐欺」「錯誤」、無効の「虚偽表示」「心裡留保」がまとまっており、比較しながら暗記しやすいです。

権利関係「意思表示まとめ」(P17)
権利関係「意思表示まとめ」(P17)

▼宅建業法「変更の登録」と「登録の移転」(P37)

宅建業法の「変更の登録」と「登録の移転」は似た論点の代表格ですが、しっかり比較しながらまとめられています。

宅建業法「変更の登録」と「登録の移転」(P37)
宅建業法「変更の登録」と「登録の移転」(P37)

■②「(1つの論点の中の)複数の知識を表形式で整理して」おり暗記しやすい

▼法令上の制限「用途地域の種類」(P15)

13個の「用途地域」は、1つひとつ覚えてようとしても途中で忘れてしまいます。同じ論点の中の複数の知識を覚えるには表形式でまとめて覚えるのが効率よく、次のように表形式に整理されていることで暗記がしやすいです。

法令上の制限「用途地域の種類」(P15)
法令上の制限「用途地域の種類」(P15)

▼法令上の制限「開発許可が不要となる場合のまとめ」(P36)

「開発許可が不要となる場合」について、市街化調整区域内では規模が小さいという理由で開発許可が不要となることはなく、また市街化区域内では農林漁業用建築物を建築する開発行為であっても開発許可が必要となります。このように開発許可のの要否が分かれ、複雑なため文章で説明されても理解が難しいです。
こちらも同じ論点の中の複数の知識を覚えるには表形式でまとめて覚えるのが効率よく、次のように表形式に整理されていることで暗記がしやすいです。

法令上の制限「開発許可が不要となる場合のまとめ」(P36)
法令上の制限「開発許可が不要となる場合のまとめ」(P36)

暗記は、次のように整理されていると覚えやすくなります。
・「表形式に整理されている」こと
・「似たような論点を比較しながら まとめている」こと


③論点が理解しやすいか?

論点が理解しやすいです。→ 5点

理由:

権利関係「3.代理」(P23,24)を例に検証しましたが、「①問題提起と具体例の提示」「②学習のポイントの確認」「③事例(Case)を用いた解説」「④法律の定義の解説」「⑤アドバイス」の順で説明を行うことにより、論点が理解しやすくなっています。

根拠:

■検証1:権利関係「3.代理」(P23,24)を例に検証してみます。

  • 問題提起と具体例の提示
    ・問題提起として、「契約を他人任せにする方法はあるの?」と、学習者に問いかけています。
    ・具体例として、「1億円の土地の売買契約を頼みたいが、経験の浅い社員にはまだ早いか・・・」と、具体例を提示して学習者へ動機付けを行っています。
  • 「学習のポイント」の確認
    「学習のポイント」が節単位(レッスン単位)に用意されています。学習者は「ここでは何を勉強するのか?」という学習目標を確認することができ、学習目的をもって学習に望むことができます。
  • 事例(Case)を用いた解説
    民法では、状況設定が重要になりますが、事例(Case)を用いてわかりやすく解説しています。
  • 法律の「定義」の解説
    ・上の事例(Case)を見せながら、「本人が相手方と契約を結ぶ権限を代理人に与えて、本人の代理人ということを示して(顕名)、代理権の範囲内(本人に頼まれた範囲内)において行った売買契約(代理行為)は、本人に対して直接に効力が生じる」、これを代理と定義しています。
    ・これを整理して「本人に直接に効力が生じるためには、①代理権、②顕名、③有効な代理行為が必要です」と、定義しています。
  • アドバイス
    講師陣が論点を考えるコツや、独学では気づきにくいポイントを解説しています。これにより、初学者や独学者は、要点やつまづきポイントを確認することができます。

■1.問題提起と具体例の提示
■2.「学習のポイント」の確認

権利関係「3.代理」(P23,24)を例に検証

権利関係「3.代理」(P23)
権利関係「3.代理」(P23)

■3.事例(Case)を用いた解説
■4.法律の「定義」の解説
■5.アドバイス

権利関係「3.代理」(P23,24)を例に検証

権利関係「3.代理」(P24)
権利関係「3.代理」(P24)

民法の特に「代理」「錯誤(意思表示)」「時効」「物権変動(対抗問題)」では、理論的な概念が積み重なっており理解に時間がかかりますが、このテキストの「代理」では「①問題提起と具体例の提示」「②学習のポイントの確認」「③事例(Case)を用いた解説」「④法律の定義の解説」「⑤アドバイス」の順で説明を行っており論点が理解しやすいです。

理解のしやすさは、はじめに全体のイメージ(「①問題提起と具体例の提示」「②学習のポイントの確認」)を読んだうえで、各論の解説(③事例(Case)を用いた解説」「④法律の定義の解説」「⑤アドバイス」)に進むことで論点が理解しやすくなります。このテキストは、理解しやすいです。


■検証2:法令上の制限「換地処分の効果」(P138)

換地処分にともなう権利の移動にて、古い権利「所有権や権利が消滅すること」と、新しい権利「地役権が残る・権利が確定すること」を表でまとめて説明しており、理解しやすいです。

法令上の制限「換地処分の効果」(P138)
法令上の制限「換地処分の効果」(P138)


④法改正に対応しているか?

法改正に対応しています。→ 5点

根拠:

下のイメージをご確認ください。文章に「最近の改正」アイコンが表示され、改正点が確認できます。

■宅建業法の法改正

▼建物状況調査

次の書面を交付する際、建物状況調査の説明や記載が必要となりました。

  • 重要事項説明書(35条書面)
    既存建物について、「建物状況調査(実施後1年を経過していないものに限る。鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等についてては2年を経過していないもの)を実施しているかどうか、およびこれを実施している場合、その結果の概要」が重要説明事項となった。 
  • 媒介契約締結時の交付書面
    標準媒介契約約款を採用して既存住宅の売買の媒介契約を締結した場合、建物状況調査をする者のあっせんを「無」とするときは、媒介契約書面にその理由を記載する必要がある。 

重要事項説明書(35条書面)

宅建業法「2.重要事項説明の内容」(P81)
宅建業法「2.重要事項説明の内容」(P81)

媒介契約締結時の交付書面

宅建業法「3.媒介契約書面」(P71)
宅建業法「3.媒介契約書面」(P71)

■権利関係の法改正

▼相続登記の義務化

相続登記の申請が義務化しました。
所有権の登記名義人について相続の開始があり、所有権を取得した者は、自己のために相続があったことを知り、かつ当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に所有権移転登記をしなければならない(相続人に対する遺贈も同様)。

権利関係「3.表示に関する登記と権利に関する登記」(P113)
権利関係「3.表示に関する登記と権利に関する登記」(P113)

法令上の制限の法改正

▼「盛土規制法」

旧法の「宅地造成規正法」から、「盛土規制法」に改正となりました。
旧法と同様に災害防止を目的とした法律です。

法制上の制限「06.盛土規制法」(P107)
法制上の制限「06.盛土規制法」(P107)

■税、その他の法改正

▼住宅金融支援機構法

住宅金融支援機構は、市町村または空家等管理活用支援法人からの委託に基づき、空家等および空家等の跡地の活用の促進に必要な資金の融通に関する情報の提供その他の援助を行うことができるようになった。

税・その他「住宅金融支援機構」「その他の業務」(P218)
税・その他「住宅金融支援機構」「その他の業務」(P218)

ほかにもありますが、法改正に対応しています。
法改正は試験で毎年狙われますので、対応していると安心感があります。


⑤テキストの途中に問題が挟まれていないか?

テキストの途中に問題が挟まれています。→ 4点
ただし、すべての節に含まれているわけではなく、頻出な論点の節にも見含まれており、学習効率の影響は少ないです。

※ただし、受験生の学習スタイルに合わせて、章ごと(論点ごと)の 事後テストの力試しの置づけとして解きたい場合は、デメリットにならないです。

根拠:

テキストの節の途中に問題が含まれています。(ex.宅建業法民「2.弁済業務保証金分担金の納付等」(P60))

ex.宅建業法民「2.弁済業務保証金分担金の納付等」(P60)
ex.宅建業法民「2.弁済業務保証金分担金の納付等」(P60)

テキストを学習しているときと、問題を解くときは、頭の使う部分が異なるため、テキストの途中に問題が挟まれていると、インプットからアウトプットの切り替えが必要になり「理解・暗記の学習ペース」が乱されてしまう。(参考、テキストによっては、本文の途中に「1問1答」や「複数問」の問題が含まれているものがある)
できれば、テキストと演習問題は、本自体を物理的に分けて学習したい。

参考:なぜ、基本テキストに演習問題が入っているの?
・競争の原理から、教材制作各社とも他社より付加価値を出したい事情から、消費者からみて「基本テキストの中に演習問題も含まれていることはお得感」があり、その結果、基本テキスト+演習問題の構成になっているものが多くなっています。初学者・中級者向けの教材によくあります。
・上級者向けの教材では、説明文だけを掲載したテキストや、演習問題だけを掲載した問題集など、インプットとアウトプットの目的別に分かれています。


⑥ページ総数が多すぎないか?

適量です。→ 5点

根拠:課目と実質のページ数は、下表のとおりです。

科 目実質ページ数
1.権利関係(民法)6-229=224
2.宅建業法6-153=148
3.法令上の制限6-158=153
4.税・その他166-237=72
計597ページ
付録 出るとこ論点帖1001-122=122

宅建の標準的なテキストは「600ページ」程度ですが、本テキストは「597」ページで適量です。
本テキストは「バランス」型の基本テキストであり、「詳細説明」型と「要点・暗記重視」型の中間に位置します。
(時間がない場合は「要点・暗記重視」型を、条文や詳しい説明が必要な場合は「詳細説明」型を選択すると良いです)
(手持ちの中でページ数が1番少ないテキストは「どこでも宅建士とらの巻」、2番目は「らくらく宅建塾 宅建士 基本テキスト」、3番目は「宅建士 合格のトリセツ」です)

※ただし、わかりやすいテキストとは「論点の詳しい説明」「事例による解説」「法律の正確な条文」(一部「マイナー論点」含む)が載っており、特に民法の理解を進めるうえでは効果的でメリットになります(急がば回れ)。「詳細説明」型テキストがこれにあたります。
「バランス型」(オールインワンタイプ)テキストのデメリットとして、論点の説明が不十分なものもあり、理解できないまま暗記ゴリ押しに頼ることがあります。
 ページ総数と理解のしやすさ(詳しい説明)は相反関係(トレードオフ)にあります。

参考:ページ総数は、なぜ変わるの?
・繰り返し学習向け、要点の暗記重視のテキストだとページ数が少なくなる傾向があります。
・反対に、初学者向けにイラストや図表を多く入れたり、中級・上級者向けに正確な文章を記載しようとするとテキストのページ数は多くなります。
 ページ数が少ないことは、イラストや図表・正確な文章などを削っており、他のメリットとのトレードオフの関係にあります。


⑦ページの縦分割がないか(1ページが縦1列か)?

1ページが縦1列のレイアウトで分割されておらず、読みやすいです。→ 5点

根拠:

下のイメージをご確認ください。

ページの縦分割がなく読みやすい

ex.権利関係「1.物権変動」(P99)
ex.権利関係「1.物権変動」(P99)

人は、上から下へ、左から右へ 文字を読むため、1ページが縦1列のレイアウトだと読みやすいです。
テキストによっては、1ページが縦2列、縦3列に分割されているものもあり、学習の集中が乱されてしまいます。
このテキストはとても読みやすいです。(Good!)


⑧理解を助けるイラストや図表が適度に含まれているか?

「イラスト」や「図表」が適度に含まれています。→ 5点

根拠:

以下のように、理解を助ける「イラスト」や「図表」が適度に含まれています。

▼イラスト

  • 権利関係「2.詐欺・強迫」(P8)
  • 権利関係「3.錯誤」(P11)

権利関係「2.詐欺・強迫」(P8)

権利関係「2.詐欺・強迫」(P8)
権利関係「2.詐欺・強迫」(P8)

権利関係「3.錯誤」(P11)

権利関係「3.錯誤」(P11)
権利関係「3.錯誤」(P11)

▼図表

  • 宅建業法「媒介契約の種類に応じた規制)」(P70)
  • 宅建業法「37条書面の記載事項)」(P93)

宅建業法「媒介契約の種類に応じた規制)」(P70)

宅建業法「媒介契約の種類に応じた規制)」(P70)
宅建業法「媒介契約の種類に応じた規制)」(P70)

宅建業法「37条書面の記載事項)」(P93)

宅建業法「37条書面の記載事項)」(P93)
宅建業法「37条書面の記載事項)」(P93)

「イラスト」と「図表」を用いて、イメージや概念から論点に入ることにより理解しやすくなるとともに、文字情報で論点入るよりも頭の負荷が軽減され学習が継続しやすくなります。


⑨カラフル過ぎないか?

初学者向けテキストとしては、カラフル過ぎずバランスが取れています。→ 4点

根拠:

以下の配色になっています。

  • 文字の色:文字は黒と赤の2色、アンダーラインが黄色と青色の2色
  • イラストの色:黒、赤、緑、青、黄の5系色

▼文字の色:黒、赤の2色

・権利関係「2.契約の成立と書面の作成」「3.贈与契約の担保責任」(P94)

権利関係「2.契約の成立と書面の作成」「3.贈与契約の担保責任」(P94)
権利関係「2.契約の成立と書面の作成」「3.贈与契約の担保責任」(P94)

▼イラストの色:黒、赤、緑、青、黄の5系色

・権利関係「2.受領権限のない者への弁済」(P48)

権利関係「2.受領権限のない者への弁済」(P48)
権利関係「2.受領権限のない者への弁済」(P48)

・法令上の制限「1.土地区画整理法の仕組み」(P124)

法令上の制限「1.土地区画整理法の仕組み」(P124)
法令上の制限「1.土地区画整理法の仕組み」(P124)

淡い配色を使い、目に優しく学習の妨げにならないように設計されています。
このテキストはおおむねバランスがとれています。

・初学者向けのテキストは、飽きさせない工夫から全ページカラーのものが多いです。
 カラフル過ぎると目が疲れてしまうデメリットもあります。(中級者向け以上を考慮した場合は、もう少し色を減らしても良いです。制作コンセプトによるところも大きい)
・また、すべてがカラフルだと、どこが大事な部分かわからなくなるデメリットもあり、強調表示のバランスが大事になります。

参考:初学者・中級者・上級者向けのテキストの配色は?
・「初学者向け」のテキストは、飽きさせない工夫から全ページカラーのものが多いです。
・「中級者向け」のテキストは、2色刷りで黒と朱色(赤系)のみで強調表現を分けているものもあります。
・受験を多く経験している「上級者向け」のテキストになると、文字色は1色で太字や下線(アンダーライン)で強調表現しているテキストや、まったく太字や下線もないテキストもあります。
 なお、「上級者」は、重要な部分が自分で分かるため、自ら下線を引いたり、メモ書きを入れるなどカスタマイズすることから、極めてシンプルなテキストを好みます。(本試験の直前には,自分だけのテキストができあがっているイメージです)


⑩テキスト独自の差別化要素

  • 「出るとこ論点帖100」という冊子が付属
    復習時の重要論点の暗記がしやすく、また試験当日に会場に持ちこんで総復習も可能です。
    暗記に重きを置く宅建試験では、この手の「出るとこ論点帖100」は差別化要素が高い。
  • 「学習優先度アイコン」の表示
    学習優先度が高い論点に「学習優先度:低,中,高」とアイコンが表示されており、「余裕があればやる、なければ飛ばす」といった判断がしやすいです。
  • 法律の「原則・例外」を解説
    法律には原則と例外があり、その違いを試験で問われることが多いです。原則が黄色のアンダーライン、例外が青色のアンダーラインでその違いを解説しています。
    他社の基本テキストは、原則と例外を明示的に表示しているものは少なく、差別化要素となっています。
    → 5点/5点

根拠:

■1.「出るとこ論点帖100」という冊子が付属

 復習時の重要論点の暗記がしやすく、また試験当日に会場に持ちこんで総復習も可能です。
 暗記に重きを置く宅建試験では、この手の「出るとこ論点帖100」は差別化要素が高い。

「出るとこ論点帖100」

「出るとこ論点帖100」
「出るとこ論点帖100」

「出るとこ論点帖100」の「2.民法の賃貸借と借家の存続期間」(P20)~

「出るとこ論点帖100」の「2.民法の賃貸借と借家の存続期間」(P20)~
「出るとこ論点帖100」の「2.民法の賃貸借と借家の存続期間」(P20)~

■2.「学習優先度アイコン」の表示

学習優先度が高い論点に「学習優先度:低,中,高」とアイコンが表示されており、「余裕があればやる、なければ飛ばす」といった判断がしやすいです。

権利関係「賃貸借・使用貸借」(P151)
権利関係「賃貸借・使用貸借」(P151)

■3.法律の「原則・例外」を解説

 法律には原則と例外があり、その違いを試験で問われることが多いです。原則が黄色のアンダーライン、例外が青色のアンダーラインでその違いを解説しています。
 他社の基本テキストは、原則と例外を明示的に表示しているものは少なく、差別化要素となっています。

権利関係「5.心理留保」(P16)
権利関係「5.心理留保」(P16)


■その他

最近流行りの、分野別に5分冊できます。

(1.権利関係、2.宅建業法、3.法令上の制限、4.税その他、5.「出るとこ論点帖100」冊子)


まとめ

▼メリット

  • 「バランス」型テキストであり、論点の詳しい説明や、ページの分量(597ページ)が適量です。
    (「詳細説明」型テキストと「要点・暗記重視」型テキストの中間の特性を持つテキストという意味)
  • 法律には原則と例外があり、原則が黄色のアンダーライン、例外が青色のアンダーラインが引かれその違いを解説しています。
  • 暗記箇所が整理されています。
  • ページの縦分割がなく(1ページが縦1列)読みやすいです。
  • 出題頻度の高い論点、過去に出題された箇所がアイコン表示でわかります。
  • 法改正に対応しており、改正情報がアイコン表示でわかります。

▼ややデメリット

・デメリットは特にありませんが、「バランス」型テキストのため「詳細説明」型テキストよりも、「論点の詳しい説明」が少なく、また「法律の正確な条文」(一部「マイナー論点」含む)は掲載されていません。特に民法の理解を進めるうえでは「詳細説明」型テキストのほうが効果的な場面があります。(ただし「詳細説明」型テキストはページ数が多くなりるデメリットがあります)
・また、宅建は暗記重視の試験ですので、繰り返し学習に向く「要点・暗記重視」型テキストのほうが暗記しやすい場面もあります。(「要点・暗記重視」型テキストはページ数が少ない)
・「詳細説明」型のテキストは、「理解するための文章」「理解するためのイラストや図表」を入れるとページ数がかさむのは必然的であり、ページ総数と理解のしやすさは相反関係にあります。
※前述は良い悪いではなく、受験生の知識レベルや、仕事の忙しさの状況に応じて、「バランス」型、「詳細説明」型、「要点・暗記重視」型のテキストを選択すればデメリットもメリットになるということです。

▼まとめ

  • 評価点は「48点/50点」であり、結論は、ページ数が適量で,法律の原則・例外が確認しやすいテキストを探している方は「買い」です。
  • 評価したところ、学習対象者は「初級者」から「リベンジ組」まで問題なく使えます。

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