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CFPと宅建の合格者が難易度を比較【実体験より】

2022-01-17

CFPと宅建の合格者が難易度を比較
CFPと宅建の合格者が難易度を比較
「CFPと宅建の難易度って、比較すると どちらが難しいのでしょうか?」
「課目ごとの難易度や、合格まで必要な勉強時間はどのくらいなのですか?」
「CFPと宅建の両方の試験に合格した方の生の声が聞きたいです。」
「教えてください。詳しい人!」


こういった疑問にお答えします。


本記事の内容

CFP」と「宅建」の難易度を具体的に、次の項目にて解説しています。

  • 「問題自体の難しさ」(問題単体の難易度)
  • 「試験範囲の広さ」(演習問題の数)
  • 「合格まで必要な勉強時間」
  • 私の「肌感覚の難易度」の比較(「合格率」「偏差値」「総合的に」)


本記事の信頼性

  • 「CFP」と「宅建」の両試験の合格者である 私が実体験をもとに わかりやすく解説します。
  • また私は、金融や不動産にまったく関係ない異業種で知識ゼロからの挑戦でしたので、参考になると考えています。
  • 単重な合格率(CFP1課目30%前後、宅建15%)だけでは判断できませんので、根拠を示しながら詳しく解説いたします。
CFPと宅建の両試験に合格
CFPと宅建の両試験に合格


この記事を読むことで、「CFP」と「宅建」の難易度や特徴が理解できますから、ご自身のスケジュールや受験を迷われている方の参考になると考えています。


8分で読めますので、最後まで読んでみてください。



もくじ

CFPと宅建の難易度の要因

CFP試験の難易度
CFPの難易度の要因

CFPと宅建の難易度を考えるときに要因となるのが、次の3つです。

  • 問題自体の難しさ
  • 試験範囲の広さ
  • 合格までに必要な勉強時間

①問題自体の難しさ(問題単体の難しさ)

問題自体の難しさ
問題自体の難しさ

問題単体の1問自体が難しいと、1問が解けるようになるまでに時間や労力がかかり難易度が高くなります。

単純な知識で解答できる問題より、問題の設定状況を図にしないと解答が導けなかったり、数行の数式を必要としたりすると難易度が高くなります。

②試験範囲の広さ

試験範囲の広さ
試験範囲の広さ

理解する論点の量や、暗記する知識の量 が多くなると難易度が高くなります。

例えば、テキストのページ数が300ページより、600ページのほうが試験範囲が広く難易度が高くなります。

また、過去問題集の問数が300問より、600問のほうが演習数が増え難易度が高くなります。

CFPの問題は、前述のように「範囲も広く」、中には「問題自体が難しい」ものもあります。

③合格までに必要な勉強時間

合格までに必要な勉強時間
合格までに必要な勉強時間

前述「②試験範囲の広さ」を勉強するために、「③合格までに必要な勉強時間」はどのくらいか、こちらも解説します。


CFPと宅建の「①問題自体の難しさ」の比較

問題自体の難しさの比較「CFPと宅建」
①問題自体の難しさの比較「CFPと宅建」

「①問題自体の難易度」をCFPと宅建で比べてみます。

CFPの問題の中で「①問題自体が難しい」もの

CFPの課目別に「①問題自体が難しい」ものは、次のようになります。
(※CFPは「課目」、宅建は「科目」と呼んでいる)

課 目 「問題自体が難しい」もの
金 融  外貨債券、為替の問題、デュレーションの問題
不動産 不動産の価格評価、不動産投資分析/収支計算、収益性からの不動産価格の算定
ライフ 係数表、ライフプラン表、年金の問題
リスク 生命保険契約・約款を読み保険金額を計算、保険証券などの資料を読み取る問題
タックス 給与所得からの所得税を導き出す問題
相続  民法と相続税の法定相続分を求める問題
CFPの問題の中で「問題自体が難しい」 もの

ここに挙げた問題は、1問が解けるようになるまでに時間や労力がかかり難易度が高くなります。

CFP不動産_本試験問題
CFP不動産_本試験問題


宅建の問題の中で「①問題自体が難しい」もの

(※CFPは「課目」、宅建は「科目」と呼んでいる)
宅建の場合は、科目によって難易度が異なります。

宅建_本試験問題
宅建_本試験問題
科 目 「問題自体が難しい」もの
民 法 問題の設定状況を図にしないと解けない問題がある
ex.物権変動・対抗問題、意思表示、代理、時効、連帯保証、相続分など。
宅建業法 35条,37条は少し難しいが、他は知識があれば比較的簡単に解ける。
法令上の制限 都市計画制限の知事等の許可、許可不要な開発行為、建築確認、農地法の許可の要否は、それぞれの暗記した表を書き出して解く場合もある。
税・免除科目 知識があれば比較的簡単に解ける。
CFPの問題の中で「問題自体が難しい」 もの

問題自体が難しい科目は、「民法」です。

宅建_本試験問題_民法
宅建_本試験問題_民法


CFPと宅建を比較すると「①問題自体が難しい」のは、CFP

CFP金融_本試験問題
CFP金融 本試験問題

CFPの難しい点は、

  • 答えを導き出すまでに、数行の数式を必要とする点
  • 計算が間違っていると、答えが選択肢にない場合があり、再度解き直す必要がある点
  • 基礎となる知識がないと、問題文の意味すらわからないこともある点

宅建の難しい点は、

  • 「民法」の物権変動・対抗問題で問われている設定状況を図にしながら解いていく
  • 「民法」や「法令上の制限」の基礎知識を暗記していないと図にしても答えが導き出せない

→ CFPと宅建を比較すると「①問題自体が難しい」のは、難解な計算が多CFPです。


CFPと宅建の「②試験範囲の広さ」の比較

②試験範囲の広さの比較
②試験範囲の広さの比較

次に「②試験範囲の広さ」を考えてみます。

試験範囲の広さを考えるときに、合格までに必要な「過去問の演習問題数」を比べるのが現実に即していると考えています。

どちらの試験も、この過去問の演習問題数を習得すると合格ラインに達します。

過去問を制覇することが合格への近道ですので、このときの問題数(過去問)を比べてみます。

CFPの合格に必要な「過去問の演習問題数」

CFPは「CFP精選過去問題集」の問題数が妥当です。

CFPの「CFP精選過去問題集」の問題数(5回分に相当)
(※直近試験問題 50問は含めない)

課 目 「CFP精選過去問題集」の問題数(5回分に相当)
金 融287問
不動産276問
ライフ260問
リスク240問
タックス287問
相 続270問
計1620問(1課目平均 270問)
「CFP精選過去問題集」の問題数(5回分に相当)
CFP精選問題集_過去5年分
「CFP精選過去問題集」_過去5回分


宅建の合格に必要な「過去問の演習問題数」

宅建は「論点別 過去問題集」の演習問題数が妥当です。

宅建の「論点別過去問題集」の演習問題数(11年分に相当)
※直近試験問題 50問は含めない。(これを含めると12年分になってしまうため)

科 目 「論点別過去問題集」の演習問題数(11年分に相当)
民 法146問
宅建業法216問
法令上の制限89問
税・免除科目78問
計529問
宅建の「論点別過去問題集」の問題数(11年分に相当)
宅建_論点別過去問題集_過去10年分
宅建_論点別過去問題集_過去11年分


CFPと宅建の「試験範囲の広さ」を比較すると、CFPが広い

  • CFPの6課目の演習問題数を合計すると、計1620問
    (1課目平均 270問)
  • 宅建の5科目の演習問題数を合計すると、計529問

→ CFPと宅建を比較すると「試験範囲が広い」(演習問題数が多い)のは、CFPです。

次に、合格までに必要な「勉強時間」(勉強期間)も確認してみます。


CFPと宅建の「③合格まで必要な勉強時間」はどれくらいか?

「合格まで必要な勉強時間」はどれくらいか?
「合格まで必要な勉強時間」はどれくらいか?
  • CFPの合格までに必要な勉強時間は?
  • 宅建の合格までに必要な勉強時間は?

CFPの合格までに必要な勉強時間は?

CFPの1課目を合格するために必要な勉強時間は、80時間~120時間くらいです。

CFPの課目別に必要な勉強時間は、次になります。

課 目 CFPの課目別に必要な勉強時間
金 融120時間くらい
ライフ120時間くらい
不動産100時間くらい
リスク80時間くらい
タックス80時間くらい
相 続80時間くらい
計580時間くらい
CFPの課目別に必要な勉強時間

CFP 6課目分トータルの勉強時間「単純計算」:

  上表 から、単純計算CFP 6課目分トータルの勉強時間は「580時間」かかります。

CFP 6課目分トータルの勉強時間「上乗せ時間」を考慮:

 ただし、同時に複数課目を受験しようとすると、始めに勉強していた課目の知識を忘れてしまい、始めの課目の知識の復元が必要になり、もう少し勉強時間を上乗せして見積もる必要があります。
 複数課目受験の場合、1課目あたり10時間を上乗せし(580時間+60時間=640時間)

乗せ時間を考慮すると、CFP 6課目分トータルの勉強時間は「640時間」かかります。

参考までに、CFP 6課目分トータルの「勉強期間」も求めてみる

1日2時間勉強したとすると、1か月で60時間確保できる。

6課目分トータルの勉強期間は、次になります。

  • 単純計算の勉強期間:580時間(6課目) ÷ 60時間(1か月)=「9.7か月」
  • 上乗せ時間を考慮した勉強期間:640時間(6課目) ÷ 60時間(1か月)=「10.7か月」

1日2時間勉強したとすると、CFPの6課目分トータルの勉強期間は「10.7か月」かかります。

私の実際のCFPの勉強時間です

CFPの合格までに必要な勉強時間は?
CFPの合格までに必要な勉強時間は?

CFP試験にかけた、私の実際のトータル勉強時間です。
※「CFPライフ」は、二度目に合格しています。
ライフは1回目にもう少し時間をかけて勉強していれば一発で受かって、上の時間(640時間)とほぼ一致します。

課 目勉強時間(単位h)
CFP金融150時間
CFP不動産109時間
CFPライフ(初回)118時間
CFPライフ(リベンジ)75時間
CFPリスク103時間
CFPタックス129時間
CFP相続75時間
CFP 小計
759時間


宅建の合格までに必要な勉強時間は?

宅建の合格までに必要な勉強時間は?
宅建の合格までに必要な勉強時間は?

宅建を合格するために必要な勉強時間は、400時間~500時間くらいです。
(※いまの宅建の難易度を考慮すると、300~400時間の勉強時間では合格は難しいです)

宅建の科目別に必要な勉強時間は、次になります。

科 目必要な勉強時間
民 法200時間くらい
宅建業法100時間くらい
法令上の制限100時間くらい
税・免除科目50時間くらい
計 450時間(真ん中をとって450時間としています)
宅建の科目別に必要な勉強時間

上表から、宅建のトータルの勉強時間は「450時間」かかります。

※ただし、リベンジ組や、初学者でも他の資格試験で不動産や税金の勉強をしたことがある方は、400時間未満になると考えています。

参考までに、宅建の「勉強期間」も求める

前記からトータルの勉強時間は、450時間かかる。

1日2時間勉強したとすると、1か月で60時間確保できる。

トータルの勉強期間は、次になります。

  • 初学者:450時間÷60時間(1か月)=「7.5か月」
  • 前提知識がある方:400時間÷60時間(1か月)=「6.7か月」

1日2時間勉強したとすると、宅建のトータルの勉強期間は「7.5か月」かかります。

私の実際の宅建の勉強時間です

宅建試験にかけた、実際のトータルの勉強時間です。
※「宅建」は、二度目に合格しています。
1年目に時間をかけて勉強していれば一発で受かって、上の時間(450時間)とほぼ一致します。

科 目勉強時間(単位h)
宅建(初回)348時間
宅建(リベンジ)244時間
宅建 小計
592時間


上表から、「合格まで必要な勉強時間」はどれくらいか?

CFPと宅建の「勉強時間の多さ」を比較すると、CFPが多い

「勉強時間の多さ」をCFPと宅建を比較すると、CFPが多い
「勉強時間の多さ」をCFPと宅建を比較すると、CFPが多い
  • CFPの6課目の勉強時間の合計は、計640時間
  • 宅建の5科目の勉強時間の合計は、計450時間

→ CFPと宅建を比較すると「勉強時間が多く必要」なのは、CFPです。


次に、私の肌感覚を記載してみました。

CFPと宅建の私の「肌感覚の難易度」比較

肌感覚(主観評価)の比較
肌感覚(主観評価)の比較

 CFPと宅建の受験経験、合格経験がありますので、肌感覚(主観評価)で比較してみます。

1つ目:「CFPの3課目弱分」が「宅建 相当」

CFPの試験を「同じ開催回の試験にて、3課目弱を同時に受験し合格できる人は、宅建に合格できる」と考えています。

なぜなら、CFPの2課目の演習問題数は「546問」であり、宅建の演習問題数の「529問」とほぼ同じ問題数になること。
※2課目ではなく、3課目弱としているのは、宅建は暗記する知識の量が多いためです。

2つ目:CFPと宅建の「合格率」と「偏差値」

CFPと宅建の合格率は?

  • CFPの1課目あたりの合格率は、「29 % ~35 %」くらい。
    ※6課目一括受験の合格率は、「5 ~ 9 % 弱」になります。
  • 宅建の合格率は、「15 % ~17 %」です。

CFPは1課目ずつの合格が認められていますので、1課目ずつ勉強していけば着実に合格できる点ではCFPのほうが難易度が下がります。
ただし、一括受験の場合は難易度が跳ね上がります。

宅建は、科目合格が認められていません。

CFPと宅建の偏差値は?

  • CFPの偏差値は「58」
  • 宅建の偏差値は「57」

こちらのサイト「資格の取り方」さん(https://shikaku-fan.net/000129/)より。

※ただし、CFPは宅建より試験範囲が広いことから、
 私の肌感覚では、CFPの偏差値は「59」「60」くらいだと考えています。

3つ目:「難解な計算問題」と「暗記の多さ」

  • CFPは、「難解な計算問題が多い」
  • 宅建は、「制度や法律の暗記が多い」

CFPは、半分が「計算問題」、半分が知識を問う「文章問題」です。

宅建は、「文章問題」がメインで、9割が暗記、1割が論理的思考(民法)を必要とする問題となります。


まとめ:問題自体の難易度が高く,試験範囲が広いのはCFP

まとめ:問題自体の難易度が高く,試験範囲が広いのはCFP
まとめ:問題自体の難易度が高く,試験範囲が広いのはCFP


前述より、CFPは「問題自体の難易度が高く,試験範囲が広い」ため宅建より単位度が高いのは事実ですが、CFPは1課ごとの合格が認められているため、宅建より難易度が下がるのも事実です。

私の肌感覚では、前記「1つ目」に記載した、「CFPの3課目弱分の同時受験」が「宅建 相当」の難易度というのが一番しっくりきます。

「同じ開催回にて,CFP3課目弱を同時に受験する難易度」イコール=「宅建」の難易度ということです。

「CFP」と「宅建」試験のコンセプト

「CFP」と「宅建」試験のコンセプト
「CFP」と「宅建」試験のコンセプト
  • CFPは「金融系の試験で、ユーザー目線の利益に立ったキャッシュフローを求め、提案をできるかを問う試験」
  • 宅建は「不動産の法律の試験で、素人が大きな金額の買い物をする際に不利益を被らないために、法律や制度の知識を問う試験」

それぞれのコンセプトが異なるため、単純には比較できませんが、どちらも難しい試験です。

ただし、どちらの試験もしっかり対策を立てて勉強すれば、合格できる試験です。(働きながらでも合格できます)


「CFP」も「宅建」も、とても良い資格です

「CFP」も「宅建」も、とても良い資格です
「CFP」も「宅建」も、とても良い資格です

「CFP」も「宅建」も、とても良い資格です。

どちらかを取得しようと迷っているのであれば、

私のアドバイスとしては、

「迷っている時間がもったいないので、両方の勉強をして、両方 取得しましょう。」

と回答すると思います。


今回は「CFPと宅建の難易度の比較」を解説してきました。
難易度も大切ですが、「勉強方法」についてはさらに重要です。

以下の記事では、CFPと宅建の「勉強方法」を解説しているので、こちらの記事も ぜひあわせて読んでみてください。
また、「CFP不動産と宅建の【重複している出題内容】と同時受験をおすすめする理由」も気になる方は、ぜひ読んでみてください。


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