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2024年版 宅建士合格のトリセツ 基本テキスト【プロがレビュー】

2023-11-12

2024年版 宅建士合格のトリセツ 基本テキスト
2024年版 宅建士合格のトリセツ 基本テキスト


「宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト」って、ページ数が少なくて、勉強時間が多く取れない人に向いているって本当ですか?

暗記しやすいように整理されていたり、法改正に対応していますか?

要するに、、このテキストを使って宅建に合格できますか?

具体的に教えて、詳しい人!


こういった疑問にお答えします。


本記事の内容

  • 元教材制作者の筆者が「宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト」の教材評価を行っています。
  • 独自の10個の評価項目用いて徹底評価し、点数づけしています。
    (「出題頻度」「暗記箇所の整理」「論点の理解しやすさ」など)
  • 本記事を読むことで、変な教材に手を出して無駄な時間とお金を使うこともなくなります


本記事の信頼性

この記事を書いた人

CFP ®資格認定者 / 1級FP技能士 / 宅地建物取引士 / 第二種 情報処理技術者 / 日商簿記 等

教材制作会社に6年間 勤務
eラーニング・企業内研修用の「教材制作」「教材評価」の業務に携わる.

業務経験からFP・宅建の学習用教材を評価し,マニアックに解説しています.


 この記事を読むことで、勉強開始までの「教材選択の時間ロス」をはぶき、効率よく学習を進めていだきたくことができます。


5分で読めるので、この教材の評価が知りたい方は、最後まで読んでみてください。


「宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト 」の商品説明

  • 本テキストは、「基本テキスト」(教科書・参考書・テキスト)の位置づけです。
  • 学習対象者は、「初学者」を対象としています。
  • 本テキストを読んだ第一印象は、「ページ総数が少なく、繰り返し学習に向いている」ということです。
  • 昨年版2023年から「重要論点集」という出題頻度が高い論点だけ集められた冊子が付属し、暗記が効率的にできます。


\「ページ総数」が少なくサクサクと読めるので勉強時間がとれない方に!/


独学の方に朗報です。

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徹底レビュー

もくじ

評判のいい「宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト」2024年版【レビュー】

「宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト」表紙
「宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト」表紙

結論は、ページ総数が少なく、勉強時間を短縮させたい方は「買い」です

その「メリット」、「デメリット」、「評価点」を見ていきましょう。

メリット

  • 「ページ総数」が少なく、サクサクと読み進められるので、勉強時間を多く取れない方に適しています。
  • 「重要論点集」という出題頻度が高い論点だけ集められた冊子が付属し、似たような論点の暗記が効率的にできる。
  • 出題頻度の高い論点とそうでない論点がわかりますので、「余裕があればやる、なければ飛ばす」といった判断がしやすいです。
  • 法改正に対応しています。

ややデメリット

  • 出題頻度の低い論点や条項を削っているため、過去問と解いたときに本テキストに説明が載っていないことがあり、必要に応じて手書きで本テキストに書き込む必要があります。
    ※前述「ページ総数が少ない」メリットとのトレードオフです。
  • ページ右側に「メモ欄」があるため、1ページが縦2列に分割されています。
    ※ただし、本テキストは出題頻度の低いページを省き、その分 過去問などから自分で「メモ欄」に書き込むという使い方を想定しているため、この使い方が合っている受験生はデメリットにはなりません。

本テキストのタイプ

本「宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト」のタイプは、
「バランス」型に重きをおいていますが、やや「要点・暗記重視」型 寄りのテキストになっています。

「基本テキストのタイプ」の説明

▼「バランス」型テキスト
・イラストと図表、文章説明の「バランスがよい」基本テキストです。
・メリット:オールラウンド(下の中間)の特性をもったテキストです。初学者がはじめに用意したいテキストです。
・対象者:初学者、中級者 向け

▼「詳細説明」型テキスト
・文章説明が「詳細かつ正確性を重視」したテキストです。
・メリット:論点の詳しい説明があったり、法律系の試験の場合 正確な条文が記載されていたりします。
・対象者:中級者 向け

▼「要点・暗記重視」型テキスト
・出題頻度が高い「要点や用語のみ」を集めたテキストです。
 詳しい説明が必要な場合は、他の基本テキストから確認することが前提です。
・メリット:要点の「復習や暗記」が効率的にできます。
・対象者:復習向け、暗記向け、リベンジ組、時間がない人向け

(スマホの方は、ピンチイン・ピンチアウトにて拡大・縮小ができます)

基本テキストのタイプ_合格のトリセツ
基本テキストのタイプ_合格のトリセツ


評価点は「47点/50点」です

 当サイトは、独自の「評価項目」を用いて、本テキストを「評価点」をつけて評価しています。

  • 「評価項目」は、10項目です。
  • 「評価点」は、「評価項目」ごとに5点、全体で50点満点(10項目×5点)としています。

評価項目と評価点

カテゴリ評価項目評価点
(各5点)
内容面
①出題頻度A,B,Cランクの内容が
 網羅されているか?(網羅性)
②暗記箇所が
 整理されているか?
③論点が理解しやすいか?
④法改正に対応しているか?
⑤テキストの途中に問題が
 挟まれていないか?
外観面
⑥ページ総数が多すぎないか?
⑦ページの縦分割がないか?
(1ページが縦1列か)
⑧理解を助けるイラストや図表が
 適度に含まれているか?
⑨カラフル過ぎないか?
差別化要素
⑩テキスト独自の差別化要素
合計点数
47/50

※評価項目ごとの評価点・評価基準は当サイトの独自のものです。
 定期的に調整していますので評価点が変わる場合がありますのでご注意ください。
※また、評価点は人によって感じ方が異なります。
 その場合は,点数よりも評価内容を参考になさってください。


 以下に、理由・根拠を詳しく解説します。

宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト 2024年版【徹底レビュー】

理由・根拠を詳しく、以下の「評価項目」を用いて点数をつけて評価していきます。

  • 「評価項目」は、10項目です。
  • 「評価点」は、「評価項目」ごとに5点、全体で50点満点(10項目×5点)としています。


①出題頻度 A、B、Cランクの内容が網羅されているか?(網羅性)

すべて網羅しています。→ 5点

「科目」ごとの「出題頻度 A,B,Cランク」の網羅性は、下表のとおりです。

「出題頻度A,B,Cランク」の網羅性

科 目「出題頻度A,B,Cランク」の網羅性
宅建業法15/15論点の「A,B,Cランク」網羅
民 法21/24論点 の「A,B,Cランク」網羅
法令上の制限 6/6論点 の「A,B,Cランク」網羅
税・その他 10/10論点 の「A,B,Cランク」網羅
52/55論点 網羅

「出題頻度 A,B,Cランク」とは?

宅建の試験範囲をもとに、12年分の過去問を確認し「出題頻度」のランク付けを行いました。

  • Aランクは、毎年出題される出題頻度が高い論点であり、必至で覚えなければならない知識です。
  • Bランクは、2年に1度程度のペースで出題される論点で、こちらも2番目に優先して覚えなければならない知識です。
  • Cランクは、5年に一度程度のペースで出題される論点で、余裕があったら覚えたい知識です。
  • Pランクは、10年に一度程度のペースで出題される論点で、あまり時間を割かないほうがいい知識です。

■根拠:詳細な「論点別」の「出題頻度 A,B,Cランク」の網羅性は、下表になります。

(※スマホの方は、ピンチイン・ピンチアウトにて、拡大・縮小ができます)

論 点出題頻度
(A:高,B:中,C:低)
宅建士
合格のトリセツ
基本テキスト
2023年度版 LEC
網羅性(〇/△/なし)
■宅建業法
1.宅地建物取引業
A
2.免許
A
3.宅地建物取引士
A
4.事務所の設置
A
5.営業保証金
A
6.保証協会
A
7.広告や契約の注意事項
A
8.業務における諸規定
A
9.媒介代理契約の規制
A
10.35条 重要事項説明
A
11.37条書面(契約書)
A
12.自ら売主の制限
 (8種規制)
A
13.報酬額の規制
A
14.監督処分と罰則
A
(罰則はC)
15.住宅瑕疵担保履行法
A
■民法(権利関係)
1.制限行為能力者
B
(被保佐人,
被補助人はC)
2.意思表示
A
(心裡留保はC)
3.代理
A
(表見代理はP)
4.時効
B
5.物権変動・対抗問題
A
6.相隣関係
P
7.共有
P
8.抵当権
A
(根抵当権はP)
9.その他の担保権
P
(地役権,留置権,
 先取特権,質権はP)
なし
(頻度[低]で問題なし)
10.保証・連帯保証
C
11.連帯債務
C
12.債権譲渡
C
13.債務不履行
A
14.弁済相殺
P
(相殺はなし。
頻度[低]で問題なし)
15.契約不適合責任
A
16.賃貸借契約
A
(賃借権の譲渡・転貸)
17.借地借家法
 (借地権)
A
(裁判所の許可はC,
建物の再築はP)
18.借地借家法
 (借家権)
A
(借地上の建物の
 賃借権はC)
19.その他の契約
C
(使用貸借,
 請負,贈与)

(使用貸借P170,
請負P214,
贈与なし,
頻度[低]で問題なし)
20.事務管理
Cなし
(頻度[低]で問題なし)
21.不法行為
B
(共同不法行為はC)
22.相続
A
(欠格・廃除はC,
 遺留分はC)
23.不動産登記法
A
(合筆・分筆はP)
24.区分所有法
A
■法令上の制限
1.都市計画法
A
(地区計画はC)
2.建築基準法
A
3.国土利用計画法
A
(事前届け出はP)
4.農地法
A
5.土地区画整理法
A
6.盛土規制法
A
(監督処分,
 災害防止措置はC)
■税・その他
1.不動産取得税
 固定資産税
A
2.所得税
C
3.印紙税
A
4.登録免許税
A
5.相続税贈与税
P
(相続税はなし。
頻度[低]で問題なし)
6.不動産鑑定評価基準
A
7.地価公示法
A
8.住宅金融支援機構法
A
9.景品表示法
 公正競争規約
A
10.土地建物
A
論点数 計
5552
(〇は1、△は0.5
小数点は切上で集計)
評価点:
コメント:
5点/5点中
A,B,Cランクを網羅


②暗記箇所が整理されているか?

おおむね整理されています。→ /5点

理由

  1. 「似たような論点を比較しながらまとめて」おり暗記しやすい
  2. 「(1つの論点の中の)複数の知識を表形式で整理して」おり暗記しやすい

根拠

■①「似たような論点を比較しながらまとめて」おり暗記しやすい

・宅建業法 「35条書面と37条書面の記載の比較」(P97)にて、
 似たような論点の、「35条書面」と「37条書面」がまとまっており、比較しながら暗記しやすいです。

宅建業法 「35条書面と37条書面の記載の比較」(P97)
宅建業法 「35条書面と37条書面の記載の比較」(P97)

・重要論点集 権利「意思表示」「制限行為能力者」(P2)にて
 似たような論点の、取り消しの「強迫」「詐欺」「錯誤」無効の「虚偽表示」「心裡留保」がまとまっており、比較しながら暗記しやすいです。
 ※「重要論点集」とは、頻出なAランクの重要論点だけをまとめた冊子が本テキストに付属しています。(差別化要素にもなっています。後述「10差別化要素」にて解説)

・制限行為能力者も、「未成年」「成年被後見人」「被保佐人」「被補助人」に分け、それぞれの要件を比較しながらまとめており、暗記がしやすくなっています。

重要論点集 権利「意思表示」「制限行為能力者」(P2)
重要論点集 権利「意思表示」「制限行為能力者」(P2)

■②「複数の知識を表形式で整理して」おり暗記しやすい

・法令上の制限 「建築確認が必要な場合」(P71)にて、
「建築確認」は、全国と都市計画区域によって、また新築なのか増改築なのかによって建築確認の要否が分かれ、複雑なため文章で説明されても理解が難しいです。こちらも同じ論点の中の複数の知識を覚えるには表形式でまとめて覚えるのが効率よく、次のように表形式に整理されていることで暗記がしやすいです。

法令上の制限 「建築確認が必要な場合」(P71)
法令上の制限 「建築確認が必要な場合」(P71)

・法令上の制限 「農地の賃貸借」(P94)にて、
「農地の賃貸借」の3条、4条、5条は、1つひとつ覚えようとしても効率が悪く途中で忘れてしまいます。
同じ論点の中の複数の知識(「許可主体」「条件」「許可不要」「市街化区域内の特則」)を覚えるには表形式でまとめて覚えるのが効率よく、次のように表形式で整理されていることで暗記しやすいです。

法令上の制限 「農地の賃貸借」(P94)
法令上の制限 「農地の賃貸借」(P94)

暗記は、次のように整理されていると覚えやすくなります。
・「表形式に整理されている」こと
・「似たような論点を比較しながら まとめている」こと


③論点が理解しやすいか?

論点が理解しやすいです。→ 5点/5点

理由

権利関係(民法)の「無権代理」(代理の中の重要論点)では、「①定義」「②類型」「③シンプルな説明」「④重要論点集にて横断整理」して説明を行うことで、論点が理解しやすいです。

根拠

権利関係の重要論点の1つ「無権代理」「2.無権代理の相手方の保護」を例に検証してみます。(P46,47)

  • 定義
    「無権代理人と契約した際に、相手方を保護する制度がある」ことを説明しています。
  • 類型
    相手方の保護の類型が4つあることがわかります。
    [1]催告権
    [2]取消権
    [3]履行請求・損害賠償請求
    ([4]表見代理は、割愛)
  • シンプルな説明
    宅建らしいシンプルな類型の説明がされています。
    [1]催告権:相手方は催告することができ、本人の確答のない場合には追認拒絶とみなされる(相手方が悪意でも可)
    [2]取消権:契約の取消が主張できる(相手方が善意のときのみ)
    [3]履行請求・損害賠償請求:無権代理人に対して履行請求または損害賠償請求ができる(相手方が善意無過失のときのみ)
  • 「重要論点集」にて横断整理(「権利 代理」(P4))
    代理や無権代理、無権代理と相手方の保護について、重要論点を横断整理されており、理解しやすく、また暗記もしやすくなっています。

■1.定義
■2.類型
■3.シンプルな説明

権利関係(民法)の「無権代理」(「代理」の中の重要論点)を例に検証

権利関係 「2.無権代理の相手方の保護」(P46)
権利関係 「2.無権代理の相手方の保護」(P46)
権利関係 「2.無権代理の相手方の保護」(P46)
権利関係 「2.無権代理の相手方の保護」(P46)

■4.「重要論点集」にて横断整理(「権利 代理」(P4))

重要論点集(「権利 代理」(P4)
重要論点集(「権利 代理」(P4)

民法の特に「代理」「錯誤(意思表示)」「時効」「物権変動(対抗問題)」では、理論的な概念が積み重なっており理解に時間がかかりますが、このテキストの「代理」では「①定義」「②類型」「③シンプルな説明」「④重要論点集にて横断整理」の順で説明を行っており論点が理解しやすいです。

理解のしやすさは、全体の概略(「①定義」「②類型」)を読んだうえで、各論の解説(類型ごとの「③シンプルな説明」)に進み、最後に横断整理する(「④重要論点集」)ことで、論点が理解しやすくなります。


④法改正に対応しているか?

法改正に対応しています。→ 5点/5点

根拠

以下のように、法改正に対応しています。

宅建業法の法改正

▼1.不動産取引の電子化(「37条書面」 交付 電子的方法(P94))

次の書面を交付する際、電磁的記録による交付が可能となりました。

  • 重要事項説明書(35条書面)
  • 売買・交換・賃貸契約締結時の交付書面(37条書面)
  • 媒介契約締結時の交付書面
  • レインズ登録時の交付書面

売買・交換・賃貸契約締結時の交付書面(37条書面)

宅建業法「37条書面」 交付 電子的方法(P94)
宅建業法「37条書面」 交付 電子的方法(P94)

▼2.住宅瑕疵担保履行法の情報提供(P132)

自ら売主となり新築住宅を販売した宅建業者は「供託」または「保険」の資力確保措置を講ずる義務があります。
それぞれに必要な 次の書類は電子交付が可能となっています。

  • 供託所の所在地等を記載した書面
  • 保険証券またはこれに代わる書面
宅建業法「住宅瑕疵担保履行法」情報提供(P132)
宅建業法「住宅瑕疵担保履行法」情報提供(P132)

権利関係の法改正

▼1.共有 「変更行為(管理行為)」(P155)

変更行為は共有者全員の同意が必要ですが、共有物の形状または効用の著しい変更を伴わない変更行為(軽微変更)は、共有者の持分価格の過半数で決することができることになりました。

権利関係 「共有」「変更行為」(P155)
権利関係 「共有」「変更行為」(P155)

▼2.借地借家法 「定期建物賃貸借契約」(P191)

次の書面を交付する際、電磁的記録による交付が可能となりました。

  • 一般定期借地契約
  • 取壊し予定の建物の賃貸借契約
  • 定期建物賃貸借契約
権利関係 「定期建物賃貸借契約」(P191)
権利関係 「定期建物賃貸借契約」(P191)

法令上の制限の法改正

▼1.盛土規制法 「盛土規制法」(P106)

旧法の「宅地造成規正法」から、「盛土規制法」に改正となりました。
旧法と同様に災害防止を目的とした法律です。

法令上の制限 「盛土規制法」(P106)
法令上の制限 「盛土規制法」(P106)

ほかにもありますが、法改正に対応しています。
法改正は試験で毎年狙われますので、対応していると安心感があります。


⑤テキストの途中に問題が挟まれていないか?

テキストの途中に問題が挟まれています。→ 4点
テキストの途中(章・節・項の「節」の単位)に問題が含まれているため、4点としました。

※ただし、受験生の学習スタイルに合わせて、「節」ごと(論点ごと)の 事後テストの力試しの置づけとして解きたい場合は、デメリットにならないです。

根拠

権利関係「3.手付解除の時期」(P65)
権利関係「3.手付解除の時期」(P65)

テキストを学習しているときと、問題を解くときは、頭の使う部分が異なるため、テキストの途中に問題が挟まれていると、インプットからアウトプットの切り替えが必要になり「理解・暗記の学習ペース」が乱されてしまう。
できれば、テキストと演習問題は、冊子自体を物理的に分けて学習したい。

参考:なぜ、基本テキストに演習問題が入っているの?
・競争の原理から、教材制作各社とも他社より付加価値を出したい事情から、消費者からみて「基本テキストの中に演習問題も含まれていることはお得感」があり、その結果、基本テキスト+演習問題の構成になっているものが多くなっています。初学者・中級者向けの教材によくあります。
・上級者向けの教材では、説明文だけを掲載したテキストや、演習問題だけを掲載した問題集など、インプットとアウトプットの目的別に分かれています。


⑥ページ総数が多すぎないか?

手持ちのテキストの中では、ページ総数が少ないテキストです。→ /5点

根拠

科目と実質のページ数は、下表のとおりです。

科 目実質ページ数
民 法220 ページ
宅建業法 151 ページ
法令上の制限 111 ページ
税・その他 51 ページ
計 533 ページ
重要論点集43 ページ
合計 576 ページ

実質のページ総数が「533ページ」であり、ページ数が少ないアドバンテージは大きい

宅建は繰り返し勉強して基礎知識を定着させることが最重要であり、ページ総数が少ないことは反復学習がしやすく暗記しやすいです。

参考:ページ総数は、なぜ変わるの?
・繰り返し学習向け、要点の暗記重視のテキストだとページ数が少なくなる傾向があります。
・反対に、初学者向けにイラストや図表を多く入れたり、中級・上級者向けに正確な文章を記載しようとするとテキストのページ数は多くなります。
 ページ数が少ないことは、イラストや図表・正確な文章などを削っており、他のメリットとのトレードオフの関係にあります。


⑦ページの縦分割がないか(1ページが縦1列か)?

1ページのレイアウトが縦2列のに分割され、本文と補足事項の説明が分かれており、やや読みにくいです。→ 4点/5点

根拠

次のように、ページ右側に「メモ欄」があり1ページが分割されているため、4点としました。

※ただし、本テキストは出題頻度の低いページを省き、その分 過去問などから自分で足りない部分を「メモ欄」に書き込むという使い方を想定しているため、この使い方が合っている受験生の方はデメリットになりません。

ページの縦分割がある
ページの縦分割がある

人は、上から下へ、左から右へ 文字を読むため、1ページが縦1列のレイアウトだと読みやすいが、本テキストは、1ページが縦2列に分割されており、少し読みづらいです。
できれば、ページの縦分割がないほうが読みやすいです。


⑧理解を助けるイラストや図表が適度に含まれているか?

「イラスト」や「図表」が適度に含まれています。→ 5点/5点

根拠

以下のように、理解を助ける「イラスト」や「図表」が適度に含まれています。

■イラスト

  • 権利関係(民法)「取得時効」(P31)
  • 権利関係(民法)対抗問題「二重譲渡」(P95)

権利関係(民法)「取得時効」

権利関係(民法)「取得時効」(P31)
権利関係(民法)「取得時効」(P31)

権利関係(民法)対抗問題「二重譲渡」

権利関係(民法) 対抗問題 二重譲渡 P95
権利関係(民法)「対抗問題」二重譲渡(P95)

■表

  • 宅建業法「廃業の届出」(P27)
  • 宅建業法「広告・契約の開始時期」(P74)

宅建業法「廃業の届出」

宅建業法「廃業の届出」(P27)
宅建業法「廃業の届出」(P27)

宅建業法「広告・契約の開始時期」

宅建業法「広告・契約の開始時期」(P74)
宅建業法「広告・契約の開始時期」(P74)

「イラスト」や「図表」を用いて イメージ(概念)から説明に入ることにより、理解しやすくなるとともに、文字情報で説明するよりも頭の負荷が軽減され学習が継続しやすくなります。


⑨カラフル過ぎないか?

初学者向けテキストとしては、カラフル過ぎずバランスがとれています。 → 4点/5点

根拠

以下の配色になっています。

  • 文字の色:黒、赤の2色
  • イラストの色:黒、赤、緑、青、黄の5系色

■文字の色:黒、赤の2色

宅建業法「報酬額の制限」(P143)にて。

黒、赤の2色(宅建業法 報酬額の制限 P143)
黒、赤の2色(宅建業法 報酬額の制限 P143)

■イラストの色:黒、赤、緑、青、黄の5系色

・権利関係「賃料の請求」(P178)にて。

黒,赤,緑,青,黄の5系色(権利関係 賃料の請求 P178)
黒,赤,緑,青,黄の5系色(権利関係 賃料の請求 P178)

・法令上の制限「国土法の届出」(P81)にて。

黒,赤,緑,青,黄の5系色(法令上の制限 国土法の届出 P79)
黒,赤,緑,青,黄の5系色(法令上の制限 国土法の届出 P81)

・初学者向けのテキストは、飽きさせない工夫から全ページカラーのものが多いです。
 カラフル過ぎると目が疲れてしまうデメリットもあります。
 (中級者向け以上を考慮した場合は、もう少し色を減らしても良いです。制作コンセプトによるところも大きい)
・また、すべてがカラフルだと、どこが大事な部分かわからなくなるデメリットもあり、強調表示のバランスが大事になります。

このテキストは、初学者向けテキストとしては、カラフル過ぎずバランスがとれています。

参考:初学者・中級者・上級者向けのテキストの配色は?
・「初学者向け」のテキストは、飽きさせない工夫から全ページカラーのものが多いです。
・「中級者向け」のテキストは、2色刷りで黒と朱色(赤系)のみで強調表現を分けているものもあります。
・受験を多く経験している「上級者向け」のテキストになると、文字色は1色で太字や下線(アンダーライン)で強調表現しているテキストや、まったく太字や下線もないテキストもあります。
 なお、「上級者」は、重要な部分が自分で分かるため、自ら下線を引いたり、メモ書きを入れるなどカスタマイズすることから、極めてシンプルなテキストを好みます。(本試験の直前には,自分だけのテキストができあがっているイメージです)


⑩テキスト独自の差別化要素

  • ページ総数数が少ないこと
    ・計533ページ(重要論点集を入れると576ページ)
    「ページ総数」が少なく、復習のしやすさは大きな差別化になっています。
  • 昨年版から「重要論点集」という冊子が付属
    「重要論点集」という出題頻度が高い論点だけ集められている冊子は、暗記に重きをおく宅建試験では差別化要素が高いです。
  • 今年度版から同社LECの問題集へのリンクが追加
    ・同社LECの「一問一答問題集」「分野別過去問題集」へのリンク(該当ページ)の記載が増えて、昨年版よりさらに使いやすくなっています。
  • タイトルに「重要度」アイコンと、「攻略メモ」が表示
    ・出題頻度が高い論点には、タイトルに「重要度」アイコンA、B、Cが表示されている。
    ・またタイトルに「攻略メモ」が表示されている。
    → 5点/5点

根拠

■1.ページ総数が少ないこと

宅建は繰り返し勉強し、基礎知識を理解・暗記することが最重要であり、ページ総数が少ないことは、反復学習がしやすく知識の定着がしやすい
(やや宅建業法の重要事項説明の条項を削っている部分(頻度[低]で問題なし)もありますが、”要点・暗記重視のテキスト(要点特化型)”寄り、の制作コンセプトを優先させている)

■2.「重要論点集」という冊子が付属

・出題頻度が高い論点だけ集められている冊子が付属しています。
「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税・その他」の分野別に出題頻度がAランクの論点が表形式でまとめられています。

・使い方の例として、過去問題集の周回を重ねた後の総復習に、試験当日に「重要論点集」冊子だけを試験会場に持っていって復習する、といった使い方もできます。

「重要論点集」:出題頻度が高い論点が集められた冊子
「重要論点集」:出題頻度が高い論点が集められた冊子
「重要論点集」:出題頻度が高い論点が集められた冊子2
「重要論点集」:出題頻度が高い論点が集められた冊子2

・「重要論点集」には、似たような論点の、取り消しの「強迫」「詐欺」「錯誤」無効の「虚偽表示」「心裡留保」がまとまっており、比較しながら暗記しやすいです。

重要論点集:権利関係「意思表示」(P2)にて

重要論点集 民法 意思表示 P2
重要論点集:民法 意思表示(P2)

■3.今年度版から同社LECの問題集へのリンクが追加

同社LECの「一問一答問題集」「分野別過去問題集」へのリンク(該当ページ)の記載が増えて、昨年版よりさらに問題集への確認速度が速くなります。

権利関係「借地借家法(借地)」
権利関係「借地借家法(借地)」

■4.タイトルに「重要度」アイコンと、「攻略メモ」が表示

・出題頻度が高い論点には、タイトルに「重要度」アイコンのA,B,Cが表示されています。
・また、タイトルに「攻略メモ」が表示されています。

タイトルに「重要度」と「攻略メモ」
タイトルに「重要度」と「攻略メモ」

・本文の右側に「関連知識」「前提知識」アイコンが表示され、初学者や独学者に向けた要点、つまづきポイントが説明されています。

「関連知識」「前提知識」アイコン
「関連知識」「前提知識」アイコン

■その他

最近 流行りの、分野別に4分冊できます。
(1.権利関係、2.宅建業法、3.法令上の制限・税その他、4.重要論点集)


まとめ

メリット

  • 「ページ総数」が少なく、サクサクと読み進められるので、勉強時間を多く取れない方に適しています
  • 「重要論点集」という出題頻度が高い論点だけ集められた冊子が付属し、似たような論点の暗記が効率的にできます。
  • 出題頻度の高い論点がわかりますので、「余裕があればやる、なければ飛ばす」といった判断がしやすいです。
  • 法改正に対応しています。

ややデメリット

  • 出題頻度の低い論点や条項を削っているため、過去問を解いたときに本テキストに説明が載っていないことがあり、必要に応じて手書きで本テキストに書き込む必要があります。(前述「ページ総数」が少ないメリットとのトレードオフです)
  • ページ右側に「メモ欄」があるため、1ページが縦2列に分割されています。
    ※ただし、本テキストは出題頻度の低いページを省き、その分 過去問などから自分で「メモ欄」に書き込むという使い方を想定しているため、この使い方が合っている受験生はデメリットにはなりません。

まとめ

  • 評価点は「47点/50点」であり、結論は、勉強時間を短縮させたい方は「買い」です。
    (私が受験生のときに使ったテキストが 本「宅建士合格のトリセツ基本テキスト」でした。まさに、社会人で時間が取りにくく「勉強時間を短縮させたかった」ことが使った理由です)
  • 評価したところ、学習対象者は「初学者」向けの基本テキストです。
  • 本年度版は、昨年度版よりも理解のしやすさが増しています(当ブログでは1点アップ)。

「宅建士合格のトリセツ基本テキスト」を使うことで、
勉強開始までの「教材選択の時間ロス」をはぶき、効率よく学習を進めていだきたくことができます。

以下は、今回レビューした「基本テキスト」の購入リンクです。
「宅建に合格したい!」という方は、ぜひご検討ください。


購入リンク宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト

\「ページ総数」が少なくサクサクと読めるので勉強時間がとれない方に!/


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